2026年08月27日
トリーター:村井

イカ好きの話16 ~標本の作り方~

先日、どこからともなく “イカの標本の作り方を知りたい” という声が聞こえた気がするので、今回はイカの標本の作り方のお話をします。

今回の日誌では ホルマリンを使用していますが、一般のご家庭での使用はできません。 エタノールでの代用が可能です。 エタノールもホルマリン同様揮発性が高く、毒性、引火性の高い薬品です。 取り扱い説明をしっかりと理解したうえで使用してください。
お子さまのみでの使用はせず、大人の方が一緒に作業をしてください。

イカはやわらかいため、普通に標本として固定してしまうと、重さに耐えきれずにどんどん潰れてきてしまいます。
これではせっかくのかわいいイカの魅力が半減してしまうので、腕をしっかり伸ばして固定する方法を紹介します。
(あくまで私のやり方なので、他にいい方法があれば教えてください。)

[用意するもの]
新鮮なイカ、ゴム板もしくは発泡スチロール、虫ピンもしくは細い針(まち針など)、ホルマリン(エタノールでも可)、密閉できる平たい容器、標本を保存するための容器、手袋や保護メガネなど安全に薬品を使用するための防具

まず新鮮なイカを用意します。
汚れがついている場合はきれいに洗いましょう。
ゴム板(もしくは発泡スチロール)の上に置いて、腕を伸ばしていきます。
イカは漏斗がついている面が腹、その反対側が背なので標本を作るときは背を上にして置きます。

腕は、背中側から左右に第一腕、第二腕、第三腕、触腕、第四腕の順でついています。
それをきれいに広げて、針でゴム板に固定していきます。

腕を針で固定しているようす腕を針で固定しているようす

私は、第四腕と触腕は腕に無理がないように、ものによって順番を入れ替えて広げています。
腕を広げて固定することで、腕の長さが比較しやすくなります。
腕の長さや太さによって、種類が変わることがあるので丁寧に留めていきます。

針での固定が終わったようす針での固定が終わったようす

針固定できたら、固めたい場所を中心に全体的にホルマリン(もしくはエタノール)をかけていきます。

固定に使用する薬品は人体に有毒なもの、火事になる危険が高いものがあります。 使用する薬品の取り扱いをしっかりと調べたうえで安全に使用してください。

密閉できる容器に入れて冷蔵庫などの冷たい場所に静置し、固めたい硬さになるのを待ちます。
私は最低 15分、できれば1時間程度固めるのが好きです。

15分程度静置して、よく水で流したものがこちらです。
伝わりますでしょうか。
生のイカをこのように持つと腕が垂れ下がってしまいますが、まっすぐに腕を伸ばした状態をキープできています。
いい具合まで固められたら、留めていた針を外し、10%ホルマリン溶液またはエタノールを入れた標本を保存するための容器に入れて、標本の完成です!

完成した標本完成した標本

いかがでしょうか。
腕がしっかりと伸びていますね。
胴体をしっかりと固定するには少し時間がかかるので、保存用の容器の中でイカが曲がってしまわないように注意しましょう。


これまでのイカの話
2024年09月15日 推しの話
2024年10月16日 展示デビュー
2024年11月23日 最近のイカの話
2025年01月31日 ダンゴイカの仲間
2025年02月23日 えのすい初のアオリイカ繁殖個体
2025年02月26日 お引越し
2025年03月29日 えのすい20周年 ~生き物たちへの感謝~ イカ
2025年05月05日 シリヤケイカの赤ちゃん1
2025年05月09日 アオリイカ 1/2バースデー
2025年05月19日 シリヤケイカの赤ちゃん2
2025年05月23日 シリヤケイカの赤ちゃん3
2025年06月17日 成長するアオリイカ
2025年08月27日 ユウレイイカ
2026年03月09日 深海生物冷凍標本タッチ イカ祭り
2026年06月30日 イカ好きの話15~ヤワラとボウズ~

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