
先日、調査採集で江の島に行きました。数年前と比べるとムラサキウニが増えたなぁという印象です。えのすいのタッチプールでもムラサキウニを展示していますが、その見た目から、ウニだけ触るのを敬遠されるお客さまもいらっしゃいます。そんなお客さまを見つけたらチャンスです。すかさずウニの推しポイントをお伝えします。
「管足」
柔らかい触手のような器官で、感覚や呼吸、また、先端に吸盤を持つものでは、移動や、食べ物を口に運んだりします。ウニには私たちでいう目のような器官は無いのですが、ウニのゲノム(生き物の設計図のようなもの)研究の中で、光受容細胞が管足にあることがわかっています。光を管足で感じているようです。
この管足はいつでも伸び縮みさせていて、何かを探るように 1本だけ長く伸ばしたり、突然引っ込めてみたりと、不規則な動きに目を奪われるはずです。主観ですが、大人の女性がこの動きに見入る傾向があるような気がします。
「とげ」
ウニを敬遠される方の最大の理由ですが、ウニを面白いと思う理由もここにあるのではないでしょうか。ウニのとげは棘疣(とげいぼ)と呼ばれる殻の表面にある突起に、筋肉や結合組織を介してくっついているので、動かすことができます。なので、ムラサキウニを触ってみると、私たちの指を感じ取り、これをガードするため、とげをぎゅっと集合させます。
この時、ウニのとげの隙間にそっと指を入れてみるとどうでしょう。
そう、指をぎゅっと包み込んでくれるのです。
ただの防御反応といってしまえばそれまでなのですが、この握手とも抱擁ともつかぬとげの集合は、ウニを触ったことのない方にとっては、きっと感動すら覚える体験となるのではないでしょうか。
こうしたお話を通して、ウニを敬遠されていたお客さまがウニに興味を持ち、さらに触ってみて、面白さを知ってもらえた時、私たちえのすいトリーターは、心の中で小躍りしながらガッツポーズしています。
現在は梅雨時期にちなみ、アメフラシの展示 もおこなっています。
アメフラシの名前の由来は、身の危険を感じた時に出す紫色の液体が雨雲のようだから、という説があります。
水槽内にはどうか雨雲を作らぬよう、そっと触ってみてください。