2026年04月25日
トリーター:藤田

新種のウツボを報告しました

新江ノ島水族館と神奈川県立生命の星・地球博物館が共同でおこなった研究で、新種のウツボを 2種報告しました!!
その名も「アワウツボ Echidna awa」と「サガミウツボ Echidna sagamiensis」です。

この 2種はおよそ40年前から相模湾や駿河湾で観察されており、ダイバーや研究者の間では“謎のウツボ”として知られていました。
それが本研究により、既知のいずれの種とも異なる新種であることが明らかになり、長年名前のなかったウツボたちについに名前が付きました。

アワウツボとサガミウツボがどんな特徴をもつのか、少し解説していきます。

〇アワウツボ Echidna awa

分布:相模湾、駿河湾、熊野灘
水深:3~150m
全長:最大で約 50cm

次の特徴の組み合わせにより、他のウツボ科魚類と識別できます。

・両顎に少数の臼歯状歯と多数の円錐歯があり、長い犬歯状歯をもたない。
・体の地色は暗い赤茶色で、全身に黄色の虫食い状斑がある。
・口腔は白色。
・眼下および下顎感覚管孔は丸い白色斑で囲まれ、下顎感覚管孔の白色斑はしばしば互いに連結する。
しりびれ縁辺は黄白色(まれに不明瞭)。
・背びれ前脊椎骨数は4~7、肛門前脊椎骨数は48~55、および総脊椎骨数は123~132。

特に、全身の黄色の虫食い状斑とあごの泡のような白色斑の組み合わせは、他の日本産ウツボ科魚類と容易に見分けられる本種の特徴です。


〇サガミウツボ Echidna sagamiensis

分布:相模湾、駿河湾、熊野灘
水深:1.5~ 68m
全長:最大で約 40cm

次の特徴の組み合わせにより、他のウツボ科魚類と識別できます。

・両顎に少数の臼歯状歯と多数の円錐歯があり、長い犬歯状歯をもたない。
ふんは短く鈍い(ふん長は頭長の15.3~20.9%)。
・眼上感覚管孔は 3、眼下感覚管孔は 4(まれに 5)、下顎感覚管孔は 6、および鰓部感覚管孔さいぶかんかくかんこうは 1(まれに 2または 3)。
・体の地色は淡い茶色で、全身に多数の黄白色から黄色がかった茶色の不規則な斑点と斑紋がある。
・眼に黒い縁取りがある。
・背びれおよびしりびれの後部はわずかに黄緑色がかる。
・背びれ前脊椎骨数は 3~ 6、肛門前脊椎骨数は52~54、および総脊椎骨数は128~134。

サガミウツボはこれまでカナリーモレイ Gymnothorax bacalladoi と外見がよく似るため同種と考えられていましたが、サガミウツボは上顎に白色斑をもたない(カナリーモレイには白色斑がある)、背びれおよびしりびれの後部はわずかに黄緑色がかる(カナリーモレイは各ひれに黒い縁取りがあり、後部は黒みがかる)などの特徴により識別することができます。


期間限定でアワウツボとサガミウツボの標本展示を、そしてアワウツボは相模湾ゾーン 沿岸水槽で生体展示を開始しました。
ぜひ、この機会に特徴をじっくり観察してみてください!

最後に、本研究に関わってくださったすべてのみなさまにこの場を借りて御礼申しあげます。本当にありがとうございました!!

本研究にまつわる詳しい話は、また別の日誌で紹介しますので今後もぜひご注目ください。

相模湾ゾーン

RSS