2026年06月11日
トリーター:松田

降ってなくても

本日 6月11日は「傘の日」らしいです。 暦の上では梅雨が始まる「入梅」でもあり、確かに最近は傘の出番が多い印象です。 私はいつも折り畳み傘をカバンに入れている派、獣医師の松田です。

さて、雨の日のお出かけ先の候補に挙がることの多い水族館。 みなさんが普通に見ていただく分には、雨でびしょ濡れになってしまう場所は少ないかと思いますが、水族館で働いている身としては、なかなかそうはいきません。 特にイルカショースタジアムのプール側には、屋根などもないのでほぼ雨ざらしで、雨の日にはカッパを着て作業することが多いです。

私たちが着ているカッパ。オリジナルのロゴがかわいい。私たちが着ているカッパ。オリジナルのロゴがかわいい。


たしかにカッパは、自分が濡れないためには申し分ないものなのですが、獣医師としては、どうしてもカッパだけでは足りない… と思ってしまう場面もあります。 それは雨の中での検査の時です。
機械を使った検査をする場合は機械が、採血の時は針を刺している部分が濡れないようにしなくてはならず、そのためにはカッパの防御範囲では足りないのです。

Q. では、どうするか。
A. 傘を使います。

…と口では容易く言えますが、実はそんな簡単な話ではなく、私たち人間にとっては慣れ親しんだ傘も、イルカにとってはそうではありません。
雨に濡れるどころか、一日中全身ずぶ濡れのイルカにとって傘は、「なんか面積のデカいよくわからんものが覆いかぶさってくる」ような状態です。
初めて見るときにはびっくりするでしょう。

Q. では、どうするか。
A. 雨が降ってなくてもたまに傘を使って慣れてもらいます。

この写真のように、一滴の雨粒も降っていない晴れの日にあえて傘を持って行って、イルカたちに見せたりします。 こうして見慣れてもらう、または傘があったとしても特に害がないことを知ってもらうことで、いざ傘を使いたいときに、問題なく使えるように準備しておくのです。

実際の雨の日の採血がこちら実際の雨の日の採血がこちら

傘は私たちにとっては雨から守ってくれる便利なものですが、イルカにとっては未知のもの。 では私たちがうっとうしく思う雨は、常に水と共に生きているイルカには、どんなものなのでしょうか。
水の中にいるから全然気にならないのか、見上げる水面に波紋ができるのを、水中から面白く見ているのか。
はたまた雨に翻弄される人間を哀れに思っているかもしれません。 いつかイルカに真相を聞いてみたいものです。

イルカショースタジアム

RSS