2026年06月15日
トリーター:笠川

海外種

えのすいでは、日本にとどまらず、世界のクラゲも展示しています。海外となると、そう簡単には採集にも行けず、輸送にもそれなりのコストとリスクがかかります。それでも、多くの人に多種多様なクラゲたちを知ってもらいたく、我々は日々挑戦を続けています。

海外種を展示する方法としては、専門の業者から入手する方法、または海外の水族館などと生物交換をする方法があります。(もちろん、自分たちで海外出張し、現地調査・採集に行くこともあります。)しかし、クラゲの状態で入手しようとすると、それなりに水量も必要となり、日数がかかれば溶けてしまうリスクも上がります。無事に水族館までやってくるかは保証がありません。
そうなると、ポリプの状態で入手し、水族館でクラゲやエフィラ幼生を遊離させて育てるほうが、展示を安定させることができます。ただ、うまく育つかは別の話です。生息する環境が違えば、塩分なり水温なり、何かしらの調整は必要ですし、何 m にもなるクラゲでも、最初は数 mm しかありません。餌がうまく合うかもわかりませんし、大きく育てるのはさらに大変です。それでも根気よくいろいろと試し、うまくいかないこともありますが、それでも少しずつ経験を積み重ねて、今の展示が成り立っています。

6月12日より、クラゲサイエンスにて、えのすい生まれのインドネシアンシーネットルの展示 が開始しました。ようやく繁殖個体を展示することができました。以前もタイのブラパ大学より、生物交換としてポリプをもらい受けたのですが、うまくいきませんでした。今回は、同じ結果にならないよう、今までの経験をふまえ、丁寧に慎重に育てていきました。展示しているのは 1個体ですが、現在、バックヤードで数個体元気に育っていますので、ゆくゆくはクラゲファンタジーホールの大きな水槽で展示する予定です。

繁殖・育成は、とても大変ですが、その過程で得られるものはとても大きいです。その種がどう生まれ、どのように成長するかは、海の中で観察することはなかなかできないので、水族館だからこそできることだと思います。そして、その種の生態を知る上でとても大切なことになります。

現在、えのすいで展示している日本にはいない海外種のクラゲは、
・パープルストライプドジェリー
・クリサオラ・プロカミア
・パシフィックシーネットル
・クリサオラ・ラクテア
・インドネシアンシーネットル
・キャノンボールジェリー
・ブラウンドットジェリー
・リクノリーザ・ルサーナ
・カシオペア・フロンドーサ
・ポドコライナ・ボレアリス
・リゾストマ・ルテウム
・シアネア・ヴェルシカラー
全てえのすい生まれです。

これだけの種類を見ようとしたら、東南アジア、ヨーロッパ、アメリカなど、世界中の海をまわらないと見ることは出できません。まわったとしても見られる保証はありません。水族館ってすごい場所ですよね。

えのすい生まれのインドネシアンシーネットルえのすい生まれのインドネシアンシーネットル

クラゲサイエンス

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