2026年01月13日
トリーター:杉村

相模湾の化学合成生態系生物大集合!

深海生物・クラゲ担当えのすいトリーターの杉村です。
ついに、新しい年 2026年がスタートしましたね。
・・・と言いましても、早くも既に2週間近くが過ぎてしまいました。
年々日を早く感じる・・・になってきました。
今年は元旦からの勤務でしたが、うっかりいつもの気分で出勤してしまい、コンビニで昼食を買いそこなうという。。。ちょっと不安な一年のスタートでした。
みなさんは、どんな一年のスタートを切りましたか?

さて、今年最初のトリーター日誌の内容は、私が毎朝真っ先に見に行く生き物のお話をしようと思います。
その生き物は、“サガミハオリムシ”です。

サガミハオリムシサガミハオリムシ

サガミハオリムシは、相模湾の初島沖の水深 850~1,000mの深海の湧水域(海底から硫化水素やメタンなどが湧き出ている場所)に生息している深海生物です。
ハオリムシは、“ムシ”という名前ですが昆虫ではなく、広くはミミズやゴカイの仲間です。棲管(せいかん)という管のような家の中で生活していて、棲管の中を上下に移動しています。棲管の中に完全に入ってしまうと、白い殻蓋という器官で蓋をしてしまって全く姿を見ることができませんが、時折伸び上がっては赤くてきれいなえらを出してくれることがあります。
えのすいでは、同じ仲間のサツマハオリムシを飼育・公開していますが、サガミハオリムシはサツマハオリムシに比べて数倍は太く立派です。棲管から伸びあがって広げるえらは赤く、花びらのようにとてもきれいです。
私は、この花びらのようなえらをチェックしに毎朝見に行っています。えらを出していることが、元気な証拠!・・・という事まではわかっていませんが、少なくともJAMSTECの調査船に乗船して見てきた海底では、多くの個体がえらを外に出して大きく広げていました。
魚たちとは違って動かないので、棲管の中に入ってしまうと生きているのか? 死んでいるのか? が分からないというのが実際のところです。
ですから、まずは生きていることのバロメーターとして毎朝観察しているわけです。赤いえらを出しているようすを見ては安堵し、全く姿が見えない朝はちょっと心を沈ませながら一日が始まります。

水槽の中では、棲管からえらを出す以外は全く動くことのない地味~な生き物ですが、相模湾の深海化学合成生態系生物を代表する生き物の一つです。
水槽の前でじっくり彼らを見てもらいたいと思っています。ゆっくりで、しかもきれいなえらを出してくれる時があると思います。
深海の世界は我々よりゆっくりです。サガミハオリムシを見ることで深海の世界を感じてもらえたらと思います。

深海Ⅰの化学合成生態系水槽では、サガミハオリムシの他にも同じ場所に生息しているオハラエビ、シンカイヒバリガイ、ヘイトウシンカイヒバリガイも一緒に飼育・公開しています。
相模湾の化学合成生態系生物 4種を見ることができますよ。

深海Ⅰ-JAMSTECとの共同研究-

RSS