2025年01月27日
トリーター:加登岡

クマノミパラダイス その2

今月当館は、休館日がありました。
「太平洋」の暖かい海のエリアは、大掃除をしたり展示替えをしたりと大忙しでした。

私はというと、担当しているカクレクマノミの水槽からマンジュウイシモチとプテラポゴンカウデルニーを、トロピカル水槽へお引越ししていました。
カクレクマノミの水槽はリュウキュウスガモが生える暖かい海の環境を作るべく、少しずつテコ入れをしています。
この水槽、実は最近まで繁殖フィーバーでした。

移動したマンジュウイシモチとプテラポゴンカウデルニーの雄は、口の中で卵を保護し、クマノミの仲間は 9月に紹介した ハマクマノミが継続的に産卵し、クマノミとハナビラクマノミも産卵を確認できました。
卵は回収し、バックヤードで孵化・育成と奮闘中です。

全部がうまくいっている訳ではないですが、試行錯誤しながら少しずつ成長しているので少し紹介いたします。

擬岩に産み付けられた卵擬岩に産み付けられた卵

ハマクマノミはアラビアハタゴイソギンチャクの根本の窪みに産卵をし、雄が卵を守り、お世話をします。
ただ、展示の水槽では生まれてきた赤ちゃんは流されてしまうため、卵が孵化しそうな時期を見計らって回収します。
卵の殻は透明なので、中の赤ちゃんはしっかり分かります。
孵化したばかりのハマラクマノミの赤ちゃんは、あの鮮やかなオレンジ色をしていなく、半透明です。

孵化直前の卵孵化直前の卵

日数が立つと徐々に黒色になり、やがて鮮やかなオレンジ色となり、特徴的な白いバンド模様も現れます。

黒い色素が出始めた赤ちゃんと、模様と色がでた赤ちゃん黒い色素が出始めた赤ちゃんと、模様と色がでた赤ちゃん

ここで面白いのが、ハマクマノミの成魚の白いバンドは1本なのに対して、幼魚は2本のバンドがあるのです。
これも成長とともに1本へと変わっていきます。
私自身ハマクマノミの繁殖は初めてなので、この違いに驚きました。

現在はこの2本目のバンドも徐々に無くなり、1本だけになろうとしていますが、みなさまにお披露目できるその日まで、大切に育てていきます。

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2024年09月17日 クマノミパラダイス

太平洋

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