本日は、昭和の日です。 昭和天皇にゆかりのある生き物の話をしたいと思います。
当館には、「皇室ご一家の生物学ご研究」の展示があります。
昭和天皇はヒドロ虫のご研究をなされていましたので、クラゲの展示があります。
当館のクラゲ飼育のきっかけも、昭和天皇にたくさんのクラゲをご覧になっていただきたいというところから、多くの種類のクラゲの飼育、展示に尽力するようになったと聞いています。
そして、ヒドロ虫ではありませんが、コトクラゲは昭和天皇にとてもゆかりのあるクラゲになります。 昭和天皇が 1941年に江の島沖で採集され、翌年に京都大学の駒井卓博士によって新種記載されました。
現在 “えのすい” では、小さなコトクラゲを展示しています。 えのすい生まれ えのすい育ちです。 昨年の 12月より親個体からたくさんの幼生が生まれました。 数十回に分けて放出された幼生は、1,000個体近くはいました。 ただ全てが大きくはなれず、現在は展示とバックヤードの個体を合わせると、4個体です。
前回 2022年に初めて幼生育成をおこなったときは、成体と一緒に採集された幼生が 1個体だけ稚クラゲまでいき、1年ほど飼育しました。 今回は前回以上に大きく長く展示できればと思っています。
コトクラゲの体色はバラエティーがあり、また親とは異なる体色が出ることがあります。今回、親個体は、白地に赤い水玉模様でしたが、同じ水玉模様の個体と橙っぽい個体、それぞれ2個体ずつです。 前回は、水玉模様だったので、そうではない個体は初めてです。成長がとても楽しみです。
今はアルテミア(ブラインシュリンプ)を与えていますが、成長に合わせて、餌も変えていく予定です。
クラゲの餌にアルテミアが使えることをご教授してくれたのも昭和天皇です。それまでは海にプランクトンを採りに行っていたと聞きました。 餌にアルテミアを使い出してから、クラゲの飼育は一気に安定したそうです。 今ではほとんどのクラゲのごはんは、このアルテミアです。いろいろな人の日々の努力や研究が、今に繋がっています。
FullDepth / TBSテレビ「クレイジージャーニー」