2009年06月13日
トリーター:植田

今月のテーマ水槽のこと


“えのすい”には月テーマで展示を更改している水槽があることはご存知のことでしょう。
今月は環境省の定めるところの「環境月間」です。
これに合わせて今月のテーマ水槽のお題は、「水の環境を見つめて」です。
この大テーマで、水域環境にすむ生き物たちにかかわる環境問題を取り上げました。
サブテーマは「生息地破壊」、「生息地回復」、「外来生物」、「“逆”外来生物」、そして「環境ホルモン」です。
これらのテーマに沿った水族 15種を現在展示しています。

特に「“逆”外来生物」という用語は、生物学の専門用語にはありません。
今回の展示に向け、展示を計画した担当者がこの場だけの説明用語として用いた言葉です。
「外来生物」は、皆様にもなじみのある言葉でしょう。
特に昨今は、外来生物法(外来種法)と呼ばれる法律まで制定されています。
もともととある地域に生息しなかった生物が、意識的・無意識的問わず人間によって持ち込まれ、その地域で代々生活するようになった生物のことです。
これらの生物たちが、われわれ人間に対してや、その地域に以前より暮らしてきたいわゆる在来生物に何らかの悪影響をもたらすことが問題となっています。

今回のテーマ展示では、この視点を全く反対にしてみました。
日本には数多くの外来生物たちがやってきているのですが、逆に日本から海外に移出された生物がいないかどうかです。
調べてみると、やはりいました。
コイ、マハゼ、アカオビシマハゼのような魚類、マヒトデのような棘皮動物、ホトトギスガイ、マガキのような二枚貝、そして、海藻のワカメまでが海外では外来生物として、困り者になっていました。
このような海外に進出した生物もいることに今回は目を向けていただけたらいいなと考えています。

水の環境を見つめて水の環境を見つめて

テーマ水槽

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