2009年06月11日
トリーター:根本

江の島の磯


我が水族館の名前にもなっている江の島。この島、非常に多様性がある島なのです。
頂上には神社、灯台、植物園があり、その下にはお土産物屋があり、さらに下にはヨットハーバ、そしてトドメ温泉です。小さな島にこれほど多くのものがあるなんて驚くべきことです。
そのため、江の島は平日でも多くの観光客で賑わっています。
私の親父の修学旅行が江の島だったという話を聞いていたので、はじめは、比較的アダルトな世代の観光地だと思っていたのですが、意外にも若いカップルも多いのが江の島の特徴でもあります。

さて、多様性が高いのは観光地だけではありません。江の島の生物も多岐にわたっています。
島の西側と南側に磯があるのですが、全然生息している生物が違います。
西側は片瀬川の影響で塩分が低く汽水域の特徴を見せ、南側は入り組んだ磯となっており外洋性の生き物が多くいます。
どちらも引き潮になると潮溜まりが至る所にできます。その中には小さな魚やカニやエビが閉じ込められていて、見ているだけでもとっても楽しく、磯遊びには最高の場所です。

今の季節はクサフグが産卵期に入っています。
江の島でも大潮の日に数多のクサフグが集まり、一斉に産卵放精するようすが見られます。
去年えのすいプラチナクラブの会員さんと観察に行きましたが、必死に岩と岩の隙間の狭い突き進み産卵するフグのたくましさに見せられて、ただただ見入っていました。
海で産卵がおこなわれているこの季節、上空ではハヤブサの夫婦が巣を作っています。探すのが難しいように思えますが、カメラマンが多く、バズーカのような望遠レンズがハヤブサの居場所を教えてくれます。

いろいろと盛りだくさんの江の島ですが、近隣の方はぜひ江の島の磯を見てみて来ださいね。
もちろんズカズカ押し入っては行けませんよ。磯のマナーを守って壊さないように遊ぶのがキモです。
特にクサフグの産卵は邪魔をしないように岩の陰からコッソリ見てくださいね。

クサフグの産卵クサフグの産卵

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