2011年05月20日
トリーター:唐亀

今週のオススメ


今週のオススメは「サクラエビ」いかがでしょう。
“えのすい”初展示となります。

淡いピンクの色合いが桜を思わせるサクラエビは、お店でよく見る加工されたものです。
では、生きている時のサクラエビの姿をご存じですか?

サクラエビは遊泳性のエビで、普段水深 200メートルから 300メートル付近にすみ、夜間水深 10メートル位に浮上してきます。
相模湾にも分布していますが、サクラエビ漁はお隣の駿河湾だけでおこなわれています。

一口に「エビ」といっても、サクラエビはちょっと分類的にはイセエビやテッポウエビ等とは異なるグループに属しています。
「エビの仲間」「カニの仲間」「ヤドカリの仲間」などは「十脚目」というくくりでまとめられています。
この十脚目は「根鰓亜目」と「抱卵亜目」に分かれます。
根鰓亜目にはサクラエビやクルマエビなどが含まれ、抱卵亜目には、それ以外のエビ、カニ、ヤドカリ、コシオリエビが含まれます。
後者はみな、メスが腹に卵をつけて保護するのに対し、前者は卵を海中に放つという大きな違いがあります。

先日、駿河湾のサクラエビ漁の船に当館のトリーター 2名が乗船させていただき、生きたサクラエビを持ちかえって来ました。
生きて泳ぐサクラエビは透明で、体に赤い点がいくつか見られるガラス細工のような繊細なエビでした。
体長をはるかにしのぐ長い触角をたなびかせて泳ぐ姿は大変美しいものですが、この触角はとても切れやすく、多くのものが途中で切れてしまっていました。
水槽の中では主に底に逆立ちしています。これは、明るい環境から、より暗い深場に潜ろうとしていたのかもしれません。

サクラエビは深海コーナーに展示しております。
ぜひ、繊細な姿を見にいらしてください。

[ 2011/05/13 今週のオススメ ]

サクラエビサクラエビ

深海Ⅰ-JAMSTECとの共同研究-

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