2012年07月14日
トリーター:根本

しんかい2000展示スタート!


いよいよ、新江ノ島水族館で有人潜水調査船「しんかい2000」の展示が始まりました!
あの海洋研究開発機構(JAMSTEC)の本物の潜水船が手の届くほど間近で一年中いつでも見ることができるようになったのです。
迫力のあるこの姿をこの夏ぜひご覧ください!

それにしても、大学院生でJAMSTECで修士論文の研究していた頃に見ていた、あの「しんかい2000」が“えのすい”に来ることになるとは夢にも思いませんでした。

私が深海の調査に初めて参加した大学 4年の夏、確か 2004年のちょうど今頃だったと思いますが、そのころには「しんかい2000」はすでに運用が休止され、母船だった「なつしま」には無人探査器「ハイパードルフィン」が搭載されていました。
初めてJAMSTECの整備場で出会った「しんかい2000」はお腹のカバーが外され、解説板が貼られてた状態で整備場の一角に展示されていて、現役の頃を全く知らない私の眼には「しんかい6500」に有人潜水船の座を譲り役目を終えた船、前時代の機械という印象が強かったのを覚えています。

しかし、いろいろな研究者の方の声を聞くうちに、この船が本当に愛された船であること、圧倒的な潜水深度を誇る最新の「しんかい6500」にも負けない、「しんかい6500」にも無い魅力がいろいろとあることを知りました。

「しんかい2000」は日本初の本格的な有人の潜水調査船であり、日本の海洋科学の夢であった6000m級の潜水船開発の為の布石として建造された船です。
ここから日本人は大深度潜水船の運用のノウハウを学び、多くの研究者を深海に連れて行き、その眼に映像ではない深海を見せてきました。
まさに日本の深海を切り開いた船なのです。
そして「しんかい2000」の特徴である互いの距離の近い 3つの窓は、事物を肉眼で見る事の大切さを多くの人に伝えて来たのです。

学生の頃、そのような話を聞いたり、映画「日本沈没」の撮影のために、何年ぶりかで母船「なつしま」に搭載されたその「しんかい2000」姿を眺めてるJAMSTEC職員さんの顔を見たりしているうちに、その存在の大きさを感じました。

後に私は卒業して“えのすい”の職員となり、その姿を見ることはほとんどなくなりました。
そして昨年、「しんかい2000」の外部展示先募集の公募が出され、応募した“えのすい”が選ばれ、再会となりました。
また同じ敷地で過ごす日々がやって来たことに物事の不思議さを感じます。

海に潜っている「しんかい2000」の魅力にはかないませんが、必死でその姿を追って、この愛された船の姿を展示しています。
ぜひJAMSTECの歴史的有人潜水調査船「しんかい2000」とその魅力を伝える展示をご覧ください。

私の他にも熱い思いのある人間がこの館にはいます。
いつか日誌に登場するとおもいますのでお楽しみに!

とか書いてるうちに、もう一人の深海担当に投稿を先越されてしまったようです・・・。
「遅くまで一生懸命パソコンで作業しているなぁ、なにしてんだろう?」
と思っていましたが、考えることは一緒だったようですね!

とにかくおすすめです!

しんかい2000しんかい2000

深海Ⅱ-しんかい2000-

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