2013年05月30日
トリーター:石川

最後の 1本・・・とってあげる×


先日もう一人のペンギントリーターの日誌で、フンボルトペンギンの「サン」と「ムーン」の羽がわりの話しが出ていましたが、もう 2羽ともすっかりおとな(成鳥)の模様になりました。

羽がわり直後は、くちばしの付け根あたりにも羽が生えていて、一番かわいい時期でもあります。

今回この 2羽の羽がわりでは今までできなかったことができました。

これはあくまでトリーター側の欲求なのですが・・・

この時期のペンギンたちは非常に神経質です。
また水に入ることを極力嫌がるため、1年で一番ペンギン臭がきつい時期でもあります。
もう一人のトリーターは
「臭っ!早く水浴びしようね・・・」
などといっていますが、臭いを感じているかはちょっと疑問です。
ただ痒いのは痒いみたいで、がむしゃらに羽づくろいをしていますし、新しい羽が入っていた鞘の破片も全身の羽の隙間に入っているので、それがフケのようにポロポロ落ちていくのもイライラする原因なのでしょう。
普段おとなしいペンギンでも、イライラしていて、そんな時に触るとガッツ!と嘴の一撃をうけたり、バッシッ!っと翼の一撃をうけたりするのでこの時期は「触らぬ神にタタリなし」・・・余計なことはしないのです。

仲の良いもの同士でもこの時は離れていることが多いのです。

そんな状況を十分に理解しているのですが、最後の 1本の羽が首の後ろについていると、どーしても取ってあげたくなる心境に駆られるのです。
痒がっていて必死に羽づくろいをしても脚も嘴も翼も届かないところです。
でも触られるのがとっても嫌な時期の一番無防備な場所でもあるわけです。
ペンギンとしては「そこはダメ!」な場所なのです。

今回の「サン」と「ムーン」は今までのペンギンたちと違い、ずっと触ってきました。
親鳥と同じように羽づくろいをしてあげて、信用関係もできています。
羽が抜けている時もそれを掻くように触っている分には嫌がっていませんでしたので、念願の最後の 1本を抜かせてもらいました!
・・・小さいことですが
・・・ニンマリした一瞬でした。

その後も極力触れるようにしていてわかったのですが、すべて羽が抜け落ちた後の方が最後の 1本が残っている時期よりも触られるのは嫌なようなのです。
まだ羽が伸びきっていない状態の首の後ろは、やはり一番触ってほしくないところのようでした。
攻撃ということではないですが、イヤイヤの意思表示はありました。
ちなみに他の部分は嫌がらずに触らせてくれるのです。

今回は毎日体重も測っています。
羽がわりの際にはそういったデータも滞ることがあるくらいペンギンたちは神経質になっていますが、「サン」と「ムーン」は産まれてからほぼ毎日、この羽がわりの最中も計測できています。
いろんな意味で新しい発見をさせてくれるこの 2羽、これからも注目してみてくださいね。


そして“えのすい”ペンギン王国にまた 1羽?一人仲間が加わりました。
今度は新人ではありません。
トリーター歴 10年目、脂の乗っている中堅トリーターです。

もう一人のトリーターからは先輩になりますが、3年ペンギンをやってきた自負はあると思います。
先輩トリーターと切磋琢磨して、新たな展示を展開してほしいです。
3人で給餌をおこなっていると、さながら保育園の園児にてんてこまいの先生みたいでした。

ペンギンだけではなくてトリーターたちにも注目してみてくださいね。

サンとムーンの体重測定サンとムーンの体重測定ペンギン担当トリーターペンギン担当トリーター

ペンギン・アザラシ

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