2014年12月29日
トリーター:岩崎

コウイカの季節が始まりました

カミナリイカカミナリイカ

12月からコウイカとカミナリイカの展示を始めました。
コウイカやカミナリイカは寿命が約 1年間で、春から初夏にかけて海岸近くに集まって長さが 2cmほどもある大粒の卵を海藻やロープなどに産み付けます。
卵から生まれたこどものイカは夏から秋に成長して、相模湾では冷たい季節風が吹く頃になると大きくなったものが定置網などで漁獲されてきます。
海岸を歩いていると時々小さなサーフボードのような形をした白い物体が打ちあがっていることがありますが、これがイカの骨といわれるコウイカ類が体の中に持っている貝殻の名残です。
この骨は水中で浮力の調整に役立っているといわれ、コウイカ類ならではの優雅な泳ぎをささえています。

大きな眼と 10本の腕、妖しく輝きながら変化する体の色、外套膜をゆらゆら動かして泳ぐその姿に魅了されるだけではなく、上品な甘みと独特の歯ごたえがある高級食材としても高値で取引されているコウイカ類は、透明感のあるその体を見ているだけでおもわず「おいしそうだな」とつぶやく声を止めることができません。
高タンパク質で低脂肪、肝臓の働きや血液の流れを助けるタウリンが豊富で栄養的に優れたイカの仲間は、忘年会や新年会、風邪の季節に対抗する旬の食材としてもおすすめです。
カミナリイカは体にキスマークのような模様が並んでいるので、コウイカと見分けることは簡単です。

見てよし、食べてよし、体にもよし。

コウイカが「スミイカ」といわれる由縁、驚いた時に吐く墨で水槽をセピア色に染めてしまうのはご愛嬌。
年末年始は 3拍子そろったコウイカの仲間をお楽しみください。

相模湾ゾーン

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