2017年06月25日
トリーター:戸倉

定期健康診断!

直甲長の測定(アオウミガメのNo.9)直甲長の測定(アオウミガメのNo.9)

健康診断といっても私のではなく、先日ウミガメたちの健康診断をおこないましたので、そのようすをご紹介いたします。

まず、毎月恒例になりました子ガメたちのプロポーション測定ですが、今月で 3歳 9か月になり、平均体重はなんと 21kg!
甲羅の長さは一番大きい個体で 55cm。測定作業もトリーターにとっては“重労働”になってきました。
でも子ガメたちはターゲットと呼ばれる棒の先に付いた目標物に寄って来るように、トレーニングが施されているので、呼び寄せるのは簡単です。
しかし、そのプールサイドから測定場所に運ぶまでが大変。
500mlペットボトルに換算すると約 40本。これがバタバタと動き、更に濡れている訳ですから、20kg以上の重さに感じます。
小さな頃に比べると、成長曲線は緩やかになりましたが、まだまだ確実に大きくなっています!


アカウミガメ「ノア」の甲長測定

おとなのウミガメたちは、ほぼ 1年に 1度プロポーション測定をおこないます。
他には血液検査のための採血と体重測定、メス個体には体内の卵を確認するための超音波診断もおこないました。
イルカやアシカと違ってハズバンダリートレーニングを施していませんから、カメたちは「何をされるんだろう?」とバタバタ動きますので、トリーターみんなで暴れないように抑える必要があります。
一番大きな個体で 106.5kg(アオウミガメ ♀の「レッド」)ありますので、パワーがあり抑えるのが大変です。


左/採血のようす  右/超音波診断のようす

ウミガメの場合、採血は首周りから採ります。ここの血管は細かな網状になっているらしく、針をやさしく刺すと、針で血管網をトランポリンのように押し込んでしまい、針が血管に刺さらず採血できません。
ですからこの場合、意を決して勢いよく“ブスッ!”と針を打ち込みます。
見ている方は「うっ!」となりますが、これがウミガメの採血方法なのです。

おとなのウミガメたちの健康診断は、水族館がオープンする前に全て終わらせてしまいます。我々トリーターも砂まみれになってしまい、移動をする際にあちらこちらを砂だらけにしてしまうので、開館前にそれらの掃除も済ませるのですが、子ガメたちのプロポーション測定は開館中におこないます。
9月 17日生まれですから毎月の 17日以降におこないますが、トリーターの都合の良い日におこないますので、実施日の確約はできません。
ただ最近では日常作業が一段落する午後におこなうことが多いです。
運良くその場に居合わせた方はラッキーかもしれませんね。

ウミガメの浜辺

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