2017年07月27日
トリーター:伊藤

再オープン 川魚のジャンプ水槽

相模湾ゾーン前半にある「川魚のジャンプ水槽」は、当館では数少ない淡水魚の常設展示です。当時の日本ではまだ稀有だった「魚の行動展示」を目指して、川魚の遡上をご覧いただける仕掛けを盛り込んだ水槽です。
歳月が過ぎるのは早いもので、この水槽がオープンしてはや 9年。模造の岩や、バックの配管にちらほらと疲労が出てきていたので、ナイトワンダーアクアリウムが始まる前に補修することになりました。

6月末から 2週間ほど展示をクローズさせていただきまして、専門の業者さんに不具合を改修してもらいました。私たちは、主に夜間に実施されるその作業に立ち会いつつ、作業がひと段落した後も朝まで塗装を乾かし続けたり、劣化したレイアウトを作り直したり、ゆがんだ濾過槽内部を改修したりしていました。

その甲斐あり、7月 12日に無事、展示を再オープンさせることができました。新しい岩肌が白くてまぶしいほどです(これはこれで亜熱帯の川みたいでカッコいい)。しばらくすれば、また藻類が生えてきて自然な感じになるでしょう。
本水槽の楽しみ方のコツは、以前詳しく紹介しました。
2014/07/27 あらためまして、ジャンプ水槽の楽しさ伝授
この部分は基本的に同じです。レギュラーのオイカワやアブラハヤに加えて、ちょっと変わった種も試しに入れてみています。満水時にお楽しみいただける要素としてですが、減水時にアッと驚く行動を示す可能性もあります。

そして、右端の小さな水槽にはハマガニが登場です。
当館での展示は初めてではありませんが、アカテガニなどと比べてクローズアップされることが少ない種です。今回は、夜行性で隠れるのが大好きな本種が少しでもくらしやすいように、隠れ家を多くレイアウトしました。隠れっぱなしで「何もいない水槽」になったら困るなぁと思っていたのですが、常に数個体は見える場所にいてくれていますので一安心です。


ちなみに、17: 00以降のナイトワンダーアクアリウムの間は、メイン水槽は水位変動なしでゆったりと川魚の泳ぎをお楽しみいただきつつ、ハマガニ水槽の方はしっとりと薄暗いブルー照明です。「光のタペストリー」が水槽にかかると、土管の奥が一時的に照らされて、潜んでいるカニがご覧いただけます。偶然にも面白い仕掛けになりました。他の演出ともども、お楽しみください。
[ナイトワンダーアクアリウム 2017 ~満天の星降る水族館~]

相模湾ゾーン

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