2018年08月08日
トリーター:杉村

ダイオウグソクムシ・・・脱皮のその後

6月 14日に“えのすい”初の脱皮が観察されたダイオウグソクムシは、残念ながら 7月 24日に斃死(へいし)しました。
[ 2018/06/14 えのすい初!! ダイオウグソクムシの脱皮を確認!! ]

今回は、斃死に至るまでの様子を記録しましたので、少しですが報告できればと思います。

脱皮後のダイオウグソクムシは、水槽の端に頭部を付けたままほとんど動くことはなく、時折、腹節にあるオール状の腹肢を盛んに動かす行動が観察されました。
脱皮をした新しい殻の観察をしていると、濃い肌色から徐々に色が薄くなり、薄い肌色へと変化していきました。


脱皮直後


10日後の殻

観察を続けてほぼ 1か月後、初めて水槽内を移動する行動がありました。
何か新たな変化が起きるのか? もしくは、いよいよさらなる脱皮が始まるか?・・・と思いましたが、その後は特に変化は観察されず、7月 24日、そのまま動きを止めてしまい、斃死が確認されました。
脱皮から斃死までの行動については、まだわからないことが多いため、今後、さまざまな資料と照らし合わせながら考察していきたいと思います。

脱皮後の新しい殻は柔らかいままで、その死因については不明です。
これまで確認されていないであろう完全脱皮を期待していましたが、非常に残念です。
ですが、これまで謎であったダイオウグソクムシの生態の一端を観察することができたことはよかったと考えています。
今後も、謎の多い深海のダイオウグソクムシについて、観察を続けていきたいと思います。

深海Ⅰ-JAMSTECとの共同研究-

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