2018年10月26日
トリーター:山本

今週のおすすめ

オワンクラゲオワンクラゲ

クラゲ尽くしの 9月が終わり、気がつけばもう 10月が終ろうとしています。
一年ってホント早いですね!
江の島で採集できるクラゲたちからも、だんだんと冬が近づいている感じがします。
冬のクラゲを楽しみにしながらも、過ごしやすい秋がおわってほしくない! そんな毎日を過ごしています。
こんな季節の変わり目は、気温が上がったり下がったりしますので、体調を崩さないようにお気を付けください。
それでは、今週のおすすめです!

オワンクラゲ

まずはオワンクラゲです。
えのすいでは、ほとんど一年中展示をしているクラゲですが、今週は特に注目していただきたいのです!
このクラゲは「GFP」と「イクオリン」というタンパク質を持っており、オワンクラゲの体内では・・・ と詳しく話していきたいのですが、とっても長くなってしまうのでまたどこかでご紹介したいと思います(気になる方はぜひ調べてみてください)!
このクラゲは、簡単にいうと「青い光を当てると傘の縁が蛍光緑に光る」クラゲです。
この特性は、がん細胞の標識化など医療関係で使われたり、カイコにGFP遺伝子を組み込んで、蛍光に光るシルクが作られたりと、さまざまな分野で応用されています。
このオワンクラゲが持つGFPなどの研究をされた下村 修さんは、なんと 2008年にノーベル化学賞を受賞されたんですよ!
えのすいでも蛍光緑に光っているようすを見ていただくことができますので、ぜひじっくり観察してみてください!
現在「今上陛下のご研究」と「クラゲサイエンス」で展示中です。

ムラサキクラゲ


“えのすい”ではひさびさの展示です(個人的には初めて大きく育った個体をみたので、一人で勝手に大興奮しております)。
現在かなり傘が縮んできてしまいましたが、クラゲサイエンスで展示しています。
10月 22日に江の島の定置網にかかっていたそうです。
普段は日本の南の方に生息しているクラゲですが、たまーーーに季節来遊漁たちのように、黒潮に流されて江の島の周りにやってくるようです。

その名の通り体が紫色をしているのが特徴的ですが、中には傘の縁だけ紫で、体全体は褐色の個体もいるようです。
形はタコクラゲに似ておりますが、傘に斑点が無かったり、口腕付属器が長かったり、形が違ったりします。
実は、“えのすい”にもムラサキクラゲのポリプはあるのですが、どうしてもエフィラからクラゲに育ちません・・・ つまり、“えのすい”で大きく育ったムラサキクラゲを見られるのは今だけですよ!!
※ムラサキクラゲの展示は 10月 28日(日)をもちまして終了いたしました。

自然界では、アジ科の魚が一緒に泳いでる姿がよく観察されていますが、今回やってきたムラサキクラゲには 2cm位のシマイシガニが傘の中からひょっこりしていました。
かわいかったので写真でご紹介です(そのままにしてしまうとクラゲを食べてしまうので、別の容器で飼育中です)。

イトヒキアジ


お次はこちら、「イトヒキアジ」! 相模湾大水槽に仲間入りです。東海大学海洋科学博物館からやってきました。
その背びれと尻びれが長い様から「イトヒキアジ」と名前が付けられたそうです。
スーパーなどではあまりお目にかからない魚ですが、刺身や煮つけなどなどとってもおいしい魚ですよ!

魅力はやっぱりこの特徴的な背びれと尻びれ! クラゲの触手のようでとっても美しい&かっこいいです。
しかし、他の魚にかじられてしまったり、擦れてちぎれてしまうことがあるようで、きれいに糸を引いている姿が見られるのは今のうちかもしれません。ぜひ大水槽でパーフェクトな姿をご覧ください!

それでは、みなさまをお待ちしております!

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