2019年03月08日
トリーター:伊藤

今週のおすすめ

岩礁水槽岩礁水槽

海藻の育成を担当するようになって数年、少しずつですが、江の島に生える海藻を調べていまして、この度、ある程度まとまった成果を公表することが叶いました。
[研究発表:江の島の潮間帯および潮下帯浅所の海藻相

その記念?に、今回は普段スポットの当たりにくい、展示海藻を紹介してみます。

ワカメ


当館の岩礁水槽(海藻主役の水槽)の大型藻類の中で、一番うまくいくようになったのがコレです。
自然界では案外旬が短く、食用サイズがベラベラしているのは春の数か月だけです。
展示水槽では水温などを工夫している賜物か、真夏以外はご覧いただけることが多いです。
私の大好物でもあります。
掃除でちぎれてしまったものを、湯通ししてツルっとやってしまうことも・・・ 。


コンブ

少し前に江の島の漁師さんからいただいたものを、岩礁水槽に展示しました。
大きくて見栄えがしますが、相模湾には本来見られない種です。
時期によっては養殖していることもあるため、展示に踏み切りました。
湘南港水槽のウニたちに与えています。
これも私の好物です。佃煮より酢コンブですね。


フクロツナギ

雑草ならぬ雑海藻で、岩礁水槽内に勝手に生えてきます。
本来は少し深いところに生える種で、野外ではレアであり、江の島の調査でも打ちあがったものをほんの少し、ゲットできただけです。
小さな水風船が連なったような特徴的な姿をしており、ワインレッドが美しいです。


カイゴロモ

こちらは干潟水槽(江奈湾水槽)です。
小さな丸っこい巻貝(スガイ)の表面に、緑色のモフモフしたものが生えています。コレです!地味ですが、マリモに近い仲間だと聞くと、一気に親近感が湧いてきます。
本種は貝の中でも、スガイの殻表だけに着生するという摩訶不思議さも魅力です。

江の島では100種類以上の海藻を見つけることができましたが、水槽内でまがりなりにも育成ができている種は、まだ10種にも達しません。難しいです。
一方で、上記フクロツナギのような意外な種が、雑海藻として生えてきてくれることもあり、なかなか興味深いです。
今後も海藻に注目していこうと思っております。

相模湾ゾーン

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