2019年06月30日
トリーター:岩崎

相模湾旬の魚図鑑 2nd season その6

シマアジシマアジ

シマアジ

アジの中でも最高級魚として知られるシマアジ(Pseudocaranx dentex)を紹介します。
シマアジは日本沿岸の九州、沖縄から東北地方にまで生息している魚で、体長は 80cm以上にまで成長します。
アジの仲間らしく、ゼイゴと呼ばれる硬い鱗が、体の中心から尾にかけてあります。
小ぶりで上顎が下顎にかぶるように下を向いた口の形と、ラグビーボールの断面のような平たい体型が特徴です。
和名の「シマ」は、体に一本の黄色い縦縞が帯状に入っていることや、伊豆諸島のような離島で多く漁獲されることが、由来であるといわれています。

希少さと、赤身魚の中でも、脂のくどさや青臭さが少ない、さっぱりとした上品な味わいであることが、高級魚として人気の理由なのだと思います。
高速で泳ぐ魚に特徴的な、ブーメラン形の尾びれを推進力にして、潮の流れが速い島々の周りで、活発に小魚や甲殻類を捕まえて食べているのでしょう。
身が締まった天然シマアジの刺身や焼き物の味は、最上級の味わいです。

シマアジとの出会いは、伊豆諸島の式根島でした。
「ここじゃろくな魚が釣れねえぞ!」
地元の方や島の常連の方にひやかされながら、仲間と港の堤防で釣りを始めたところ、たまたま若いシマアジの群れが入ってきたらしく、まさかの大爆釣状態に!
その日の夜は、持ち帰ったキャンプ場で、刺身や塩焼きなど、シマアジパーティーで盛り上がりました。
そして翌日の港では・・・。
ところ狭しと釣り竿が並んでいたのでした。
「なにしろシマアジだからな!」
前日ひやかしていた方々も、ちゃっかり釣り糸をたれていたのには、思わず笑ってしまいました。

シマアジは相模湾大水槽で展示しています。
よく見ると見分けることはできるのですが、何種類かいるアジの仲間と一緒に泳いでいることが多いので、ちょっとわかりにくいかもしれません。
ダイビングショー「フィンズ」でリクエストをしていただくか、近くにいるトリーターに聞いてみてください。

バックナンバー
2019/05/31 相模湾旬の魚図鑑 2nd Season その5
2019/04/29 相模湾旬の魚図鑑 2nd Season その4
2019/03/29 相模湾旬の魚図鑑 2nd Season その3
2019/02/26 相模湾旬の魚図鑑 2nd Season その2
2019/01/28 相模湾旬の魚図鑑 2nd Season その1

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