みなさまこんにちは。
昨年の7月の日誌で、パービャウの水槽に殖えた巻貝が、水面に浮く行動を取り上げたことがあります。その時ちらっと、国外外来種のスクミリンゴガイの稚貝も同じ行動をとると書きました。[ 2018/07/05 川の貝の話題 ]
先日、調査で生きたスクミリンゴガイを入手する機会がありました。バックヤードで飼育して、観察していたところ、大きな個体もこの行動をとることが観察されたので速報します。
普段はだらだらと水底に転がったり、ゆっくりと壁面をはっている本種ですが、水面に大好きな野菜を浮かべると、敏感に「飯だー!」と言わんばかりに活発に動き出しました。
ところで野菜は浮いています。奴らが壁面から乗り移れないように、水槽の真ん中あたりに浮くように「いじわる」していると、1個体が壁面と水面の境目で、口とその両脇の腹足を水面に広げだしました。
ちょうど私たちが遠くのものを取ろうとして「もうちょっとで届くのに~」と頑張っている感じに見えました。残念! そんなんじゃ届かないよ、と思っていた矢先、ふわっとそのまま水面に張り付き、野菜に向かっていくではないですか! かなり一直線に向かっていきます。これはもう、泳いでいると言ってよいでしょう。
しばらく見ていると、少なくとも3個体が同じような手段で野菜までたどり着きました。大きな個体は殻幅2㎝ほどはありました。このサイズの淡水巻貝が、小さなサカマキガイやタイワンカワニナと同じ技を使えるのを知り、ちょっとした衝撃を受けました。