生き物の眼をつぶさに観察したことはありますか? よーくみると、とても美しく、引き込まれる魅力があります。
目は口ほどにものをいう、ということわざもありますが、生き物の飼育においても眼を観察することはとても大切です。例えば魚について、眼が透き通ってきれいであることは健康であることを示すひとつの指標ですし、動きの少ないじっとしているような種でも、触れずとも眼を見れば、生きているか死んでいるか分かります。
一方で海の生き物の眼のつくりは多様です。魚やイカ・タコのなかまの眼は私たち人間とよく似ています。他にも、明暗だけを感じる眼をもつもの、そもそも眼がないものもいます。そんな中で特に私が好きなのは、甲殻類のエビやシャコの眼です(写真 1)。甲殻類の眼は複眼といい、たくさんの小さなレンズが集まって構成されていて、一つのレンズでできている魚の眼とは構造が大きく異なります(写真 2)。