2019年08月31日
トリーター:八巻

エビの眼が好き

写真 1 トヤマエビの眼写真 1 トヤマエビの眼

生き物の眼をつぶさに観察したことはありますか? よーくみると、とても美しく、引き込まれる魅力があります。

目は口ほどにものをいう、ということわざもありますが、生き物の飼育においても眼を観察することはとても大切です。例えば魚について、眼が透き通ってきれいであることは健康であることを示すひとつの指標ですし、動きの少ないじっとしているような種でも、触れずとも眼を見れば、生きているか死んでいるか分かります。

一方で海の生き物の眼のつくりは多様です。魚やイカ・タコのなかまの眼は私たち人間とよく似ています。他にも、明暗だけを感じる眼をもつもの、そもそも眼がないものもいます。そんな中で特に私が好きなのは、甲殻類のエビやシャコの眼です(写真 1)。甲殻類の眼は複眼といい、たくさんの小さなレンズが集まって構成されていて、一つのレンズでできている魚の眼とは構造が大きく異なります(写真 2)。


写真 2 魚の眼

写真はトヤマエビの眼ですが、格子状の模様がとてもきれいですね。格子に囲まれた枠一つ一つが小さなレンズというわけです。眼全体が格子状のはずですが、光の反射によって濃さが変わったり、一部だけ黒く塗られているように見えたり、表情があるようにも見えて面白いです。

実はこの眼の主、トヤマエビは近々展示に出す予定です(写真 3)。魚名板(展示している生き物の名前が分かるように、生き物の写真と名前を表示する名札)用に写真を撮っている時、改めてエビの眼は綺麗だなぁと感じたので、今回は眼の話をしてみました。
展示生物の「眼」に注目して見ることで、また違った楽しみを発見できるかもしれません。


写真 3 トヤマエビ

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