2019年09月28日
トリーター:田窪

血液を顕微鏡で見てみると

先日のトリーター日誌でペンギンの採血のようすをお伝えしました。
我々ヒトと同じ、赤い血液が流れているのがお分かりいただけるかと思います。
これは「ヘモグロビン」という血液の成分の色で、赤血球という細胞の中にあり、酸素と結合する役割をしています。
ヘモグロビンと結合した酸素は、血流に乗って全身に運ばれます。

ではヒトの血とペンギンの血、全く同じなのか、というと、そうではありません。
この血液を顕微鏡で見てみると・・・


フンボルトペンギン(鳥類)の血液

一番たくさんある、ラグビーボールのような形をしているのが赤血球です。
では、次にヒトと同じ哺乳類のバンドウイルカの血液を見てみましょう。


バンドウイルカ(哺乳類)の血液

中が空っぽの泡のように見えるのが赤血球です。
ペンギンのものと比べてみると、ペンギンの赤血球の中には青い点が入っているのがわかるでしょうか。
実はペンギンの赤血球には、ヒトやイルカを含む哺乳類のものと違って、核(DNAが入っている部分)があるのです!
というよりも、哺乳類以外の脊椎動物(魚類、両生類、爬虫類、鳥類)の赤血球には核があるので、哺乳類の赤血球に核がない、といった方が正しいでしょうか。

なぜ核がないかというと、哺乳類は赤血球から核をなくすことで体積を減らし、数を増やすことで、赤血球の表面を増やす為だといわれています。
表面積を増やすことでより多くの酸素が赤血球の中のヘモグロビンと結合できるようにしている、という訳です。

関連日誌
2019/09/18 ペンギン採血デー

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