2019年11月05日
トリーター:杉村

光るナマコ! まるでクリスマスツリー? “ハゲナマコ”公開中です。

ハゲナマコの仲間ハゲナマコの仲間

深海Ⅰでは、JAMSTECの深海調査研究船に乗船して、長期飼育実験のために採集された深海生物の飼育研究のようすを一般に公開しています。

その中でも、最近とても気になる存在が、“ハゲナマコ Pannynchia moseleyi virgulifera”(専門家の協力を得て種の同定をおこないました)です。
このナマコは、今年の 8月におこなわれたJAMSTEC主催の「第21回全国児童ハガキにかこう海洋の夢コンテスト」入賞者特典の深海研究調査船乗船体験で採集されました。

採集された地点は、岩手県宮古沖水深 534mの海底です。
ハゲナマコの仲間は、駿河湾の深海 1,000m付近からも採取されていて、一昨年の夏から冬にかけて、2度ほど深海Ⅰで公開しました。
今回で 3回目になるこの仲間ですが、現在公開中のハゲナマコは、体色が濃い紫色をしていて、管足も太くしっかりしています。
この管足で、泥の海底を歩いているんですね。

このハゲナマコの仲間は、外から刺激を受けると、まるでクリスマスツリーのイルミネーションのように、青い光の点滅に体が包まれます。
刺激が続くと、光は次第に衰えてしまって発光しなくなります。
深海の暗闇で外敵などに襲われたときに、威嚇で発光するのでしょうか?
どうして、発光するかはよく分かっていませんが、とても神秘的なナマコです。
ごく稀ですがガラス面にくっついているところを観ることがあります。
そんな時は、管足や口を観察するチャンスです。
ぜひ観察してみてください。
何か新しい発見があるかも・・・。

深海生物については、まだまだ謎だらけです。
長期飼育をおこないながら、その生態の解明の糸口を発見できたらと思います。

公開中は、発光させることができませんので水槽の解説板で発光のようすを紹介しています。
ぜひご覧ください。



深海Ⅰ-JAMSTECとの共同研究-

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