2019年11月23日
トリーター:櫻井

○○ガイ、○○ダイ

タツナミガイタツナミガイ

タツナミガイは、分類上大きく分けると貝の仲間になります。アメフラシに近い仲間です。本日、ぜひみなさまにお話ししたいのが、名前に「カイ」と付いているから貝だというわけではないということです。
タッチプールに立っていますと、「タツナミガイだって。貝なんだねー」というお声のなんと多いことか。相模湾大水槽を優雅に泳いでいるマイワシの群れを見て、あるいは大迫力のタカアシガニを見て、「美味しそう!」と叫ばれるのと同じくらいの頻度で耳にします。

それはいいんです。魚介類を見て美味しそうという発想に転換される脳みそを持つ民族なのです、日本人は。海に囲まれた島国、日本では、昔から漁で生計を立て、海の恩恵を受けてきました。水族館の生き物たちを見て、食に思考が向くのは至極当然のことと言えます。お国柄ですね。
海外の水族館では、面白いことに、「ワンダホー!」「ビューティホー!」「プリティー!」「ダイナミック!」という思考で、生き物たちを見ていて食には繋がらないようです。

話がそれましたが、名前に惑わされてはいけません。
タツナミガイはたまたま「カイ」と付いていて、本当に貝の仲間なので良かったですが、例えばタイ。「○○ダイ」という魚はものすごく多いですが、「タイ科」の仲間はごくわずかです。イシダイもイシガキダイもスズメダイもタカノハダイもカゴカキダイもコショウダイもヒゲダイもヒゲソリダイもサクラダイもみな、タイ科ではありません。
サクラダイはハタ科ですが、桜が咲く春ごろ浅瀬に来るマダイのことを桜鯛と呼んだりもします。これはちょっとややこしいですね。相模湾大水槽でのタイ科は、マダイ、クロダイ、ヘダイなどです。タイと名前がつく魚は本当に多いですが、おめでたい席でタイの尾頭付きなどといって出てくるマダイの仲間は、意外にも少ないのです。「○○ダイだってー。タイなんだねー」とならないように気を付けましょう。

写真:紫汁を出したタツナミガイ


タッチプール

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