2019年11月27日
トリーター:西川

魚の食の好み

ハシキンメハシキンメ

水族館では、動きが活発な魚や口が小さくて一度にたくさん食べることができない魚には毎日餌をあげていますが、ほとんどの魚たちには週に 3回だけ与えています。
自然の魚たちも餌を毎日食べられるわけではないので 3回に調整されていて、栄養が偏らないようにイカやアジ、アサリなどいろんな種類の餌を与えています。

このようになるべく自然に近づけてあげることを意識していますが、初めて水槽に来た魚は環境の変化に驚いて食べないことが多いです。急に広い海からやってくるのですから、驚いて食べなくなるのもわかりますよね。
でも、私より“えのすい”歴が長い魚でも食べないことがあります。これは、体調を崩していたりすることもありますが、食の好みの場合もあります。

魚の種類ごとに、この魚はエビが好きとかサメは魚が好きとかはみなさんもなんとなく知っているかと思いますが、同じ種類の魚でも好みがあって、例えば「ハシキンメ」という魚が同じ水槽の中に 5匹ほどいますが、ほとんどの個体は餌のキビナゴが大好きです。

切ったアジを同じように与えてみても一度くわえて吐き出すか、見ただけでどこかへ行ってしまう個体が多い中、同じ「ハシキンメ」という種類でも、人間と同じように一匹一匹に食の好みがあって、アジを食べる個体もいるんです。
水族館の魚たちにはできる限り栄養バランスよく食べてほしいと思っているので、好き嫌いがあるとトリーターは困ってしまいます。

好き嫌いがある魚には母親になったような気持ちで、どんなふうにしたら嫌いな餌を食べてもらえるか、魚たちの健康のために献立を考えながら与えています。みんなが元気に育ちますように。

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