2020年02月25日
トリーター:大下

極寒・・・

さて、今回は本業となる魚類担当業務の一環である採集の話です。
先日、大寒波が迫る中、漁師さんの船に乗船して、定置網にて採集をしてきました。
さほど乗船はしたことがないにも関わらず、2年振りの乗船となる岩崎さんと一緒です・・・
やや不安はありながらも、かつては“迷パートナー”として一緒に仕事はしていたので「何とかなるでしょう!」で、いざ出航!


網を上げる作業前にも関わらず、どさくさに紛れて最前列でスタンバイです。
寒さにはめっぽう強い私ですが、さすがにフル装備で極寒に対応です。
目だし帽、そして防寒靴は自前です。注目すべきはシューズマニアである私が厳選した靴!!
防寒そして防水にも優れ、足へのホールドも抜群、そしてソール部分は某メーカーのA〇11のソールと同じなので、グリップ力が非常に高く、船上でも滑りません。


網が上がってくるにつれ、深夜にも関わらず、どこからともなく海鳥が集まってきます。
危険を顧みずに餌にありつこうという、どん欲さ。やはり、野生動物は強いですね!
鳥類は夜になると視力が極端に低下するのでは?と私は思っていたのですが、実は昼行性の鳥は夜でも人間以上に見えている鳥が多いそうです。例えでいわれる「鳥目」というのは鳥類では珍しいのだそうです。


そして網が上がり、いざ捕獲!
漁師さんが選別する前に我々が必要とする魚を取らなくてはならないので、スピード重視です! 私としてはいちばんテンションが上がる瞬間でもあります!
「オォ~!! マフグだ!!!」と思い、速攻で掬(すく)いましたが、上げた後によく見たらシロサバフグでした・・・まだまだ修行が足りません・・・


欲しい魚を掬って、タルに入れたら終了というわけにはいきません。水圧の変化の影響で種類によっては腹部が膨れ上がるので、針を刺して空気を抜く処置をしなければなりません。
見よう見まねですが、何とか空気を抜くことができました。
帰港の際には雪がちらついていましたが、水族館まで持ち帰り、何種類かは展示にでております。

漁師さん方と関わるようになってから知り得たことなのですが、漁師さんの中には捕獲した魚が水族館で展示されることに対して、喜んでいただける方が多くおられます。
そういった意味において、提供していただいた魚を展示へと出せるように努めなければならないと思います。
来館されるみなさんに良い展示を提供するために地元の漁師さんの協力も不可欠なんですよ。
私自身は数回ではありますが、定置網の乗船ではざまざまな魚種が見られる、捕獲することができるので、非常に楽しみでもあります。
次回の乗船で珍しい魚種が見られましたら、ご報告させていただきます。

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