2020年05月06日
トリーター:田窪

薬の話

私たち獣医はたくさんの薬を扱っています。“えのすい”の薬品庫にある薬の種類を数えてみると、なんと200種類以上もありました。
毎日動物たちに与えているビタミン剤や、いざという時に使わなければいけない薬を切らさないよう、在庫に気をつけなければいけません。
ケガや病気は待ってくれないですからね。

これは飲み薬やビタミン剤、塗り薬などを保管している棚です。


たくさんの種類の薬がありますが、抗生物質(細菌などを殺す薬)、消化器薬(おなかの薬)、鎮痛薬(痛み止め)など、種類別に分け、必要な時にすぐに出せるよう、整理してあります。

こちらの棚には、左に注射用の薬、右に注射針や注射器などの医療器具を整理してあります。
こちらもどこに、何が、どれくらいあるか一目でわかるように整理してあります。


たくさんの薬がありますが、実は動物用に作られた薬は数えるほどしかありません。ましてや、イルカやアシカ、ペンギンやウミガメ専用の薬なんて、ひとつもないのです。なので、ヒトやイヌネコ、ウシやブタ用の薬を、工夫しながら使っています。

悩ましいのはどれくらいの量を投薬するかです。我々ヒトや、他の動物用に作られたものですので、その用法・用量通りに使っても効かなかったり、副作用が強く出てしまったりすることもあります。
そこで、私たちはヒトを50-60㎏として体重比で計算したり、論文や本などの文献を調べたり、他の水族館や動物園から情報を聞いたりして決めています。

以上、動物の登場しないトリーター日誌でした。

RSS