2020年05月17日
トリーター:山本

それ大丈夫なの?

私はクラゲ担当で、なかなか「魚の気持ち」を考えるという機会はないのですが、、、とある水槽を見ていると、たまーに不思議に思うことがあります。
クラゲサイエンスの近くにあるこの水槽です。


ここには「イズカサゴ」「ババガレイ」「アラ」などなど、冷たい海にすんでいる魚たちがいます。
ある時こんな状態になっていました。


黄色いにょろにょろがムロランギンポで、オレンジ色のごつい方がイズカサゴです。
一般的に、イズカサゴには背鰭に「毒棘」があると言われています。


もう一度言います。
イズカサゴには背鰭に「毒棘」があると言われています。


なにそのドヤ顔!
毒のある背鰭の棘までわずか数センチ・・・ 。
こんな近づいて刺さらないのかなーと思います。


こっちは「ゴマソイ(黒い方)」。
もう乗っかってるやん。
毒のある魚にどうしてこんなにも近づくのでしょうか。
気になって、先輩トリーターたちに聞いてみました。

これらの魚たちは、毒をあくまで「防御」するために使っていて、むやみやたらに「攻撃」するためのものじゃないんじゃないかなー

なるほど・・・ !
毒って聞くだけで、「触れたらヤバイ」とか、「攻撃的」なイメージを持ってしまっていたのですが、自分が攻撃されたりしたときに使う、あくまで「防御用」としてなのであれば納得です。
ムロランギンポたちは、自分が攻撃しなければ毒にやられることもないと、ちゃんとわかっているのですね。
見るたびハラハラしていましたが、見え方が変わりました。

逆に、「攻撃用」として毒を使っている生き物はどんなものがいるかな?
あれ、クラゲは?
「毒」から生き物たちの生き方を考えると、なんだかワクワクしてきます。

でも、いくら防御用とはいえ、むやみやたらに触ったらやっぱり刺さってしまいますので、海で遊ぶときはお気を付けを。
ムロランギンポたちも、気を付けてね。

太平洋

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