2020年05月25日
トリーター:櫻井

見られることなく成長したカワイトヒキクラゲ

カワイトヒキクラゲカワイトヒキクラゲ

最近テレビでよく休館、休園中の水族館や動物園のようすがとり上げられていますね。
生物のお世話はさすがにリモートでは出来ません。“えのすい”でも、飼育の人間は最少人数で出勤して生物たちと向き合っています。

約 3か月間という、先の見えない長い休館の間、水槽を転々とした種がいます。
カワイトヒキクラゲです。
東南アジア産で飼育条件が他の種と少し異なったり、気難しいところがありますが、一匹だけすくすく成長してくれました。
先ずはファンタジーホールの一番小さな水槽へ。
この一番小さな水槽でも、一匹だけだと小さすぎて展示できないと思っていました。
ところが日に日に大きくなり、みるみる収容しきれないくらいにまで成長してくれました。
次は、円柱水槽です。さすがにこの大きな水槽では小さすぎる・・・ と思いきや、またまたぐんぐん成長してくれました。
4~5日ぶりに出勤することもありましたが、1.5倍くらいに成長していることもあり、糸状の付属器も数十センチも伸びていました。


早くお客さまに見てもらいたい、と思いながらカワイトヒキクラゲの成長を見守っていました。
今では成長のピークを過ぎ、少しずつ傘の形が崩れてきています。
今回、このカワイトヒキクラゲは、成長過程をみなさんに見られることはありませんでした。

みなさんにお願いがあります。
在宅ワークなどが増え、お家にいる時間が長くなった機会に、生物を飼育し始めたという方が増えたそうです。
今回が、生物に興味を持つきっかけとなってくれたのであれば、とても素敵なことだと思います。
生物にとっては、私たちの事情は関係ありません。
普段の日常に戻っても、どうか最後まで面倒を見てあげてください。
普段の日常が、これまでとは違うものに、生物と一緒に変わっていければ、素敵ですね。

クラゲファンタジーホール

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