2020年06月11日
トリーター:伊藤

江の島が島に!

長かった外出自粛もやや緩和されつつある中、いかがお過ごしでしょうか。

私はといえば、ここのところデスクワークが増えていたためか、腰が痛い! カピバラの目線にかがめない! これは、ちょっとリハビリに歩かねばと思い、ひさびさに江の島を回ってこようと思い立ちました。

江の島を冠する施設にいるならば、江の島のことは知っておかねばと思っています。入社数年目の時に先輩職員に調査に誘ってもらって以来、自主的に江の島の生物を調べたり、地形や水質を把握したりしてきました。

研究発表
[ 江の島の潮間帯および潮下帯浅所の海藻相 ]
[ 江の島の潮間帯動物相‐Vll ]

さて今回ですが、なるべく人がいないところ、島の縁をぐるりと、メインロードを避けながら、歩いてきました。江の島を全体的に見回ってきたのは半年ぶりくらいです。一番これは、と思ったのが、江の島が正真正銘の島になっていたことです。

近代の江の島は長らく陸繋島(りくけいとう)、読んで字のごとく、本土と陸続きになる島でした。潮がひいたときだけ陸繋砂州(トンボロ)が生じ、弁天橋を使わなくても歩いて島まで渡れたのです。

今回、最干潮位となる時間に江の島の北端にさしかかると、川のように橋の左右に流れが残っており、完全に陸と繋がっていないではないですか。流れの幅は10mほど、一番深いところがふくらはぎくらいで、長靴なら歩いて渡れました。とはいえ、完全に陸続きになる時間がなくなっているわけです。

このことは、生息する生物にも影響を及ぼすかもしれません。これまで、トンボロがすぐ西側に注ぐ境川の水が東側に流れ込まないようにガードしてくれていたかもしれないからです。今後も継続的に江の島の状況を把握していきたいと思います。えのすいトリーターが江の島に行くことすらはばかられた事態が、再来しないことを祈ります。


島から本土を望む。川みたい。


その逆。本土から切り離された島。

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