2020年06月11日
トリーター:山本

アオミノウミウシとヒメルリガイ

現在、クラゲサイエンスでは「アオミノウミウシ」と「ヒメルリガイ」を展示しています。どちらもクラゲではなく軟体動物(タコやイカ、カイの仲間)ですが、クラゲと深く関わりのある種なのです。

※6月11日をもって、ヒメルリガイの展示は終了しました。

アオミノウミウシ
南風が強く吹いた日に、カツオノエボシなどとともに“えのすい”の目の前の浜に打ちあがりました。


小さいので結構見つけるのは難しいのですが、目が慣れるとぽつぽつと・・・ 30個体以上見つけることができました。



こんなにきれいな状態で見たのは初めてで、個人的には今年一番の感動です・・・ ! 地球上の生き物とは思えないほどにきれいな姿。海外では「ブルードラゴン」とか「ブルーエンジェル」と呼ばれているようです。
なんと、このウミウシはお腹を上にして仰向け状態で生活しています。そして、カツオノエボシやギンカクラゲなど、海面で生活する刺胞動物を食べ、そのクラゲのもつ刺胞は防御用に再利用します。さっそく一緒に打ちあがっていたカツオノエボシを与えてみたら、すぐに食べてくれました。栄養個虫を、もぎもぎフ○ーツのように食べています。かわいいのでぜひご覧ください。


広い広い海の中で、餌となる刺胞動物にどうやって出会うのでしょうか。カツオノエボシなどとは形が違うぶん、きっと風や波など物理的な影響の受け方が変わってくるはずなので、一度離れてしまったら遠くに行って二度と会えなくなってしまう気がします・・・ 。そうなっても困らないほどに、外洋にはたくさんの捕食対象がいるのでしょうか・・・ 。本当に不思議です。

ヒメルリガイ

同じく南風が強く吹く日に、目の前の砂浜に打ちあがっていました。


大抵は殻だけの状態で打ちあがっていますので、こんなに元気な個体は初めてです。薄い紫色がとてもきれいです。この貝は、泡と粘液で「いかだ」のようなものをつくり、水面に浮いて生活します。じっくりと観察していると、せっせと新しい泡を作っていてかわいいです。そしてこのヒメルリガイも、アオミノウミウシと同じようにカツオノエボシなどの刺胞動物を食べます。こちらには、同じ日に打ちあがっていたカツオノカンムリを与えてみました。しゃりしゃり(?)と、結構なスピードで食べていきます。


また、個人的には背中にクラゲの「ポリプ」がついていることが気になりました・・・!


オベリアクラゲかな? ちょっとクラゲが出てくるまではわかりませんが、こちらもアルテミアを捕まえるほどに元気なので、成長してくれることを祈ります。

現在この 2種類をクラゲサイエンスで展示中です。
外洋生活をしている種ですので、飼育はかなり難しい気がしますが、可能な限りみなさまにお見せできるようにがんばりますので、“えのすい”にお越しの際は、ぜひクラゲサイエンスをのぞいていってください。

※6月11日をもって、ヒメルリガイの展示は終了しました。

クラゲサイエンス

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