カマイルカ「クロス」偉大なる記録は、時を選ばず、静かにやってくる。
日本の鯨類飼育は、1930年(昭和 5年)、中之島水族館(現、伊豆・三津シーパラダイス)のバンドウイルカにまで遡る。
それから数えて 90余年。
その間に打ち立てられた、「バンドウイルカ(飼育頭数が 1番多い)の日本長期飼育記録」イコール「日本の鯨類飼育史上(種類を問わず)、生存日数1位」だと、勝手に信じ込んでいた。
2017年、下田海中水族館のナナが「バンドウイルカの日本長期飼育記録」を塗り替えた後、自分の休みの日に、スポーツ新聞とビールを片手に電車で見に行った。
黒くて大きなイルカだったと記憶している。
残念ながら、ナナは今、生存していないが、その記録は今も生き続けている。

バンドウイルカ「ナナ」 (画像提供:下田海中水族館)
だから、
我らがカマイルカの「クロス」が、ナナの「バンドウイルカの日本長期飼育記録」を抜くことで、「日本の鯨類飼育史上、生存日数 1位」のイルカになる、偉大なる記録誕生の日、それが今日だと、信じて疑わなかった。
クロス(カマイルカ) 15,695日
1978/02/16~2021/02/04 現在
ナナ(バンドウイルカ) 15,694日
1974/11/13~2017/10/31
その一方で、
日本の鯨類飼育の前には「43年の壁」が立ちはだかるものだと、心のどこかで恐れていた。突然、その壁が出現しないものか、と。
ナナ 42年 11か月 18日
ヨン 42年 5か月 23日
(ヨン 旧江の島水族館で飼育していたハナゴンドウ)
飼育日数 42年 11か月19日の「クロス」は、43年まで、あと 12日。
が、しかし、日本にはバンドウイルカ以外で、43年を超えている個体がいることを、恥ずかしながら、数ヶ月前まで知らなかった。
しかも、4頭も。
ナナが日本 1位になる前は、全鯨種をチェックしていたのだが、その後、“えのすい”で飼育していない種なので、完全にノーマークだった。
ああ無情!
4(ヨン)を超え、7(ナナ)を超えても、5(歴代5位)だった。
なんのこっちゃ?
関連日誌
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2020/08/10 「クロス」が「ヨン」を超えた日]