2021年04月29日
トリーター:唐亀

遠いお空の雲の上で生まれたような白いナマコ(空はとべません)

相模湾キッズ水槽に白いマナマコが登場しております。シロナマコという種類のナマコもいるのですが、このナマコは食用にもされているマナマコの白色変異個体となります。

今回の白いマナマコは、江の島付近で漁をされている漁師さん経由で当館にやってきました。実は新江ノ島水族館には過去にも2回ほど白いマナマコが来ています。
マナマコの白色変異はとても珍しく、所によっては縁起物として珍重されています。食用としてのナマコ自体が「黒いダイヤ」と呼ばれますから、さらに少ない白いマナマコの希少価値は極めて高いのです。

今回やってきた白いマナマコ、一旦バックヤードの水槽に収容されたのですが…。実はそこにはボウシュウボラが一匹いたのです。ボウシュウボラはヒトデ等を食べる肉食性の巻貝です。次に見た時にはナマコの背中にボウシュウボラが馬乗りになり、背中に食らいついていたのです。
慌てて引きはがしましたが、少し食べられて傷ができていました。しばらく別の水槽に収容しておりましたら、傷も癒えて跡も目立たなくなったため、相模湾キッズ水槽に移動しました。

ナマコは漢字で書くと「海鼠」、うみねずみです。容姿がうずくまったねずみに見えることからそう呼ばれているようです。今回の白いマナマコは言わば「白海鼠」です。

こじつけになるのですが、七福神の一柱「大黒天」は米俵や小槌そして「大黒鼠」という白いねずみと一緒に表現されることが多いです。
もともと大黒天はインド方面から伝わった神様。日本に伝えられた際に、「大黒」と「大国」が似ている所から「大国主命(おおくにぬしのみこと)」と同一視されたようです。白いねずみは大国主命の窮地を救ったところから、大黒天のお使いとされ縁起物とされました。

白いマナマコも縁起物ですし、何かご利益があるような気がします。
ちなみにナマコ類は一般個人の採集、捕獲はできません。

[ 白い鼠(ねずみ)は大黒様の使いですが、白い海鼠(なまこ)も縁起物「白いマナマコ」展示開始 ]

相模湾ゾーン

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