2021年05月19日
トリーター:藤田

祝フウセンウオ誕生!

ふ化直後のフウセンウオふ化直後のフウセンウオ

みなさんこんにちは!
最近は暖かくなってきたと思ったらまた肌寒くなったり、寒暖差が激しいですね。
体調管理にはいつも以上に気を付けていきたいです。
ここのところ雨模様が続き、気分が落ち込みそうな日もありますが、最近とても嬉しいできごとがありました。

現在展示している飼育下三世のフウセンウオが 3月頃から産卵し、うまく発生が進んだ卵が 5月 2日からふ化し始め、飼育下四世のフウセンウオがまた新たに誕生したのです!
現在展示槽内の吊るしケースで展示している四世のフウセンウオが、2020年 4月にふ化した個体なので、今回生まれたフウセンウオたちとは約 1歳差の兄弟ということになります。

初の飼育下四世のフウセンウオたちがまだ小さかった頃の話や、フウセンウオ展示までの道のり、卵の育成から稚魚の成長過程など、過去のトリーター日誌で鈴木トリーターがとっっっっても詳しく書いてくれていますので、ぜひそちらもご参照ください。

今回の発生がうまくいった卵より前にも、実は産卵は何度かしていました。
しかし去年の四世誕生の時と同じように、発生がうまく進まずに腐ってしまう卵がほとんどでした。
もう継代飼育の限界なのかな、今までと同様の規模でのフウセンウオの展示は難しくなっていくのかな、と諦めかけていたのですが、ある日濾過槽を確認すると、発生が進み多くの卵が発眼している卵塊があったのです。
これはビッグニュースだ!と太平洋の冷たい海の担当から異動してしまった鈴木トリーターにすぐに報告しに行きました。


今回の卵の育成方法は濾過槽にザルを浮かべる形

卵に当たる水流が絶妙だったのかな、ということで今回はこのまま濾過槽で成長を見守ることにしました。(自然界ではオスの親魚がひれを仰いで卵に新鮮な海水を送ります。)
順調に発生が進んでいく中、まだ油断はできない・・・と毎日ドキドキしながらようすを観察していました。
そしてついに、5月 2日に今年初めてのフウセンウオがふ化したのです。


黒色の粒々がふ化直後のフウセンウオ

ふ化した個体はバックヤードの予備槽に用意した飼育容器に運びます。
多い時は 40匹以上もふ化していることがあり、濾過槽のフタを開けて確認するのが朝の楽しみになりつつあります。


ゴマのように見える粒々が稚魚

フウセンウオの稚魚は5mmほどで、現在 100匹以上の稚魚が生まれています。
今回の卵塊からまだもう少しふ化してくると思います。
そして、まだまだ油断はできませんが別の卵塊でも発生が進んでいます。


新しい発眼卵

新緑の季節に生まれた“えのすい”のフウセンウオたち。
フウセンウオの明るい未来を信じて、みなさまにお披露目できる日を楽しみに育てていきたいと思います。

関連日誌
2018/02/13 フウセンウオの子どもたち展示までの道のり(長文注意!!)
2018/05/23 フウセンウオ 産卵中です
2020/05/21 飼育下四世のフウセンウオ誕生!!

太平洋

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