2021年05月31日
トリーター:笠川

口がない!?

口が出ているとは限らない。クラゲの奥深さをまた実感しました。

サラクラゲが北海道から到着して、わくわくしながら発泡スチロールを開けました。あっ、バッテンクラゲ! 実際に見るのは今回が初めてでしたが、私はサラクラゲをそう認識していました。
十字、プラス、バツ、見方は好きでいいと思います。なんとシンプルな姿。いや、シンプルすぎ? 口がない?? その日いたクラゲメンバーでざわざわしました。

よくよくいろいろ調べて、顕微鏡でも確認したら、どうやら口は十字になっている生殖巣に沿って裂けているものみたいです。
口が出ている、口が開くという固定概念は捨てなければいけません。イメージするならハエトリソウみたいな感じですかね。餌がつくとじわじわと取り込んでいました。
傘のまわりの触手はかなり短く、これで餌を捕まえてもどうするのかなとよく観察していたら、まるでフランス料理のガレットのように、○が□になって、触手が口に届いていました。上から見ると、きらきら模様みたいです。
口が出ていなくても、触手が長くなくても、餌はとれる。奥が深い。しかも、このサラクラゲ、1cmにも満たない小さなクラゲが多いヒドロ虫には珍しく、かなり大きくなります。20cmを越えるものも。さらに興味がわきます。

私も初見でしたが、“えのすい”でも初展示です。ぜひバッテンクラゲご覧ください。見ようにはミッ〇ィーの口です。

クラゲサイエンス

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