2021年08月11日
トリーター:堀内

自由研究

イヌザメの赤ちゃんイヌザメの赤ちゃん

今年の夏はとても暑い夏になっていますね。
小学校時代にヒマワリを育てて何個種がとれるかという自由研究をしたのを思い出しました。
もし、今私が自由研究をするならどんなことをするかな~と考えてみました。

最近興味が出てきたのが「サメ」。
では、サメの自由研究をするためにまずサメのことを調べてみよう!

・サメは骨格の大部分が軟らかい軟骨でできている、軟骨魚類というグループの魚
・世界中では約 500種が生息している
・大きさは約 20cmから大きいものは約 12mになる種類もいる (ジンベエザメで 最大 18.5~20mの記録あり!)
・魚類は卵で繁殖をするのが一般的だが、サメの中には胎生で出産する種類もいる
・サメの卵はとても不思議な形をしている
・サメには浮袋がない
・表皮は歯と同じ成分で出来た小さくてかたい鱗でおおわれている
・サメのえらあなは 5~7対
・口の中には予備の歯が何列も生えている
・吻先にはロレンチーニ器官がある
などなど・・・
調べ始めるといろんな情報におぼれそうなので、今回はサメの卵について自由研究します!

サメの卵は 4層からなる厚いキチン質の卵殻に包まれています。
触ってみるとちょっと硬めの海藻を触っているような、硬いけど弾力があるような・・・ なんとも言えない触り心地です。
キチン質はエビやカニ類の甲殻類の殻と同じ成分です。

こちらはネコザメの卵です。


大きさは約 20cmで茶色くドリルのような形をしており、岩のすき間に産み付け、潮の流れに流されないようにこのような形をしています。
産みたての卵は軟らかく、時間が経つにつれて固くなり岩のすき間にフィットします。
約 1年で孵化し、20cm程の赤ちゃんが生まれてきます。


次は、ハナカケトラザメの卵です。


大きさは約 6cmで透明な殻で平たい形をしており、ヤギ類などに産み付けるために先端にはつるが付いています。
約 5か月~1年で孵化し、9cm程の赤ちゃんが生まれてきます(水温によって変化します)。


最後はイヌザメの卵です。


大きさは約 15cmで茶色く平たい形をしており、海藻などに産み付けるためにふわふわした付着糸がたくさん付いています。
約 3か月で孵化し、15cm程の赤ちゃんが生まれます。

イヌザメの卵は 現在テーマ水槽にて「じっくり観察!調べてみよう!調査研究」で展示をしています。
実際に孵化する前の卵の中で、赤ちゃんが動いているようすを確認することができます。
今年の 6月、7月に孵化したイヌザメの赤ちゃんも同時に見ることができます。
シマシマ模様がとても可愛いです!
大人のイヌザメは太平洋の「サメ水槽」で展示しています。
あれ?これが同じ種類?と思う方もいると思いますが、この可愛いシマシマ模様は赤ちゃん特有の特徴で、今しか見ることができません。
卵の中の赤ちゃんも順調に大きくなっているので、産まれてくるのがとても楽しみです。

サメについて調べていると不思議に思うことや知らないことばかりで、私の自由研究はまだまだ続きそうです。日々勉強です。

現在“えのすい”では、イヌザメ、ネコザメ、ツマグロ、トラフザメ、ネムリブカ、ドチザメ、トラザメ、ナヌカザメ、ホシザメ、ニホンヤモリザメ、ハナカケトラザメの 11種類を展示しています。
私のお気に入りはイヌザメの赤ちゃんです。
みなさんのお気に入りも見つけてみてください。

RSS