2021年08月12日
トリーター:小形

ゴールまでの助走

なんのことかと言いますと、ペンギンのお話です!

私が今フンボルトペンギンの「ブラウン」と頑張って練習していることが、ターゲットタッチです。
この棒の先に着いている黄色いボールを嘴(くちばし)で突くんだよー!と教えています。
「ブラウン」は、他にも陸上と水中での輪くぐりもできます!いろいろなことが「ブラウン」にとって刺激になればいいなーと思って始めたのがきっかけです。


初めて見る物に対してとても警戒心が強いフンボルトペンギンたちは、私がこの棒を持って飼育舎内に入ると、初めは一斉にプールに逃げていきました。
朝の掃除中など、ペンギンたちがあまり気にしなさそうな時間に何気なーく床などに置いておくなどして、慣れてもらうところから始めました。

「ブラウン」は警戒心が強いこともあり、タッチすることを覚えるよりもターゲットに慣れる方が時間がかかりました。

すぐにタッチすることを覚えてくれましたが、実はここがゴールではありません。最終目標は、イルカのように水中で高くジャンプをすること!(サインでジャンプしてくれたらなお嬉しい!)です。

初めに私が考えたのは、ターゲットを高い所に見せたら、それをめがけてジャンプしようとする行動が出るんじゃないか?と思っていました。
しかし実際やってみると、高い所に見せたターゲットの下で「タッチしたいけど届かないよ~!」と言った感じでぐるぐる回り続けるのみでした。

そこで今は、高くジャンプするための助走を練習しています。イルカにジャンプを教える際にも用いられる一つの方法だそうですが、ペンギンではどうなんだろう??と思い、動くターゲットを追い掛ける、これをひたすら繰り返していました。
そんなある日、少し高いところに見せたターゲットに対して、離れたところから助走をとって勢いよくタッチしてくれました!!

どうやったら届くか、ちゃんと考えて動いてくれた「ブラウン」に、お客さまが見ていることを忘れて、おもわず大喜びしてしまいました。
なかなか助走を取れば届くということに結びつくまで時間がかかりましたが、一度覚えた「ブラウン」は 2回目も 3回目もしっかり同じように助走を取ってタッチしていました。

しかしゴールまでの道のりはまだなのです!
もっと高いジャンプができるように、今度は水中深くから水面上までの助走を練習していこうと思っています。
やってみた感じ、これもなかなか難しそう。。

ですが覚えたことはいつもやる気満々で取り組む「ブラウン」です!地道な練習ですが、いつかイルカのようにカッコいいジャンプができるように、「ブラウン」と一緒に頑張ります!!

ペンギン・アザラシ

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