2021年09月04日
トリーター:遠山

私たちの挑戦

ゴマフアザラシ「ワカ」ゴマフアザラシ「ワカ」

当館には現在 4頭のゴマフアザラシが生活しています。

私が入社した2015年は、展示プールに雄の「オガ」と雌の「ワカ」、そしてバックヤードに雌の「天洋 1」が生活していました。
将来の繁殖を考え、秋田県にある男鹿水族館GAOから雌の「ココ」を受け入れて、展示プールにて雄 1頭、雌 2頭での飼育を 2017年 4月からスタートしました。


ゴマフアザラシ「ココ」

3頭とも十分に繁殖ができる年齢でもあったので、早くて 2018年に交尾が確認でき、 2019年には子どもが産まれるかも!?と期待をしておりましたが、私の期待はどこへやら。
2018年から 2020年の 3年間、全く交尾行動も見られず、苦しい時間を過ごしていました。

このままだとアザラシの繁殖がうまくいかないということもあり、2021年度は他園館との協力を視野に入れ進めていました。
進めていく中で下田海中水族館とのタイミングが合い、当館の雌の「ココ」を搬出することにしました。

残念ながら、「ココ」は下田海中水族館で雄からのアプローチを嫌がり、交尾に至ることはありませんでした。「ココ」がいない間も当館のプールで生活する「オガ」と「ワカ」も残念ながら全く交尾をすることなく、「ココ」も下田海中水族館から当館に戻ってきて、2021年度の挑戦も終わったと思っていました。
しかし、なんとしばらくすると「オガ」が「ワカ」に交尾をする行動が見られ、「ワカ」も受け入れ体勢ばっちりといった感じです。
これはいけるんじゃないか?と。
その数分後、しっかりと交尾をするようすまで確認することができました。
感動しましたね。ちなみにその後は「ココ」との交尾も。
「オガ」がようやく一人前の雄になった証ですね。


「オガ」と「ワカ」の交尾

今回アザラシの交尾が成功するまでに、約 3年近くかかりました。
屋内飼育でアザラシの繁殖に成功したプールの水温などのデータを参考に、設定をいろいろと変更したりもしました。
もし順調にいけば、10月あたりに超音波検査にてお腹の中に赤ちゃんがいるかもしれませんし、いないかもしれません。
それは私にもまだわかりませんが、ほんの少しだけ期待して待っていようと思っています。
「ワカ」は現在 92.0㎏、「ココ」は現在 93.6㎏で、今までで体が一番大きくなっています。
みなさんに良いお知らせができますように!!!


「ココ」とにらめっこ


「ココ」と抱っこ

ペンギン・アザラシ

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