2021年09月22日
トリーター:笠川

食事

イオリクラゲイオリクラゲ

地元の漁師さんに「梅干」と呼ばれるクラゲがいます。
石川県の能登半島の街の名前から名付けられた「イオリクラゲ」です。
「イオリクラゲ」は生殖巣が赤色をしているので、漁の網に引っかかった姿が梅干にそっくりです。ぜひ立派な梅干サイズに育てたいと毎度試みているのですが、まだ納得のいくサイズまでいっていません。
ですが、今回はなかなかのサイズまでいっています。ただ、多数入れていると触手が絡む絡む。
水槽飼育での悩みのひとつです。

「イオリクラゲ」はもちろん他のクラゲでも与えているアルテミアでも飼育可能なのですが、アミエビを与えるとぐんと大きくなります。ただ適量判断と残餌回収が手間になります。

生き物を飼育するということは、まず生かすためには飼育環境を整えなければなりません。そして次に、生かし続けるためには餌を食べてもらわなければなりません。
私たち人間もそうですが、食事というものは生きる上でとても大切なものになります。
飼育するということはそれを我々が管理することになります。
適切なものを適切な形で適切な量、与えてあげなければいけません。
これが難しい。
クラゲも実はすききらいがあります。
といっても、クラゲがしゃべれるわけではないので行動として取り込まないということがあります。
とりあえず触手で捕まえても口の中には入れません。
クラゲの毒針はいろいろなタイプがあって、これは食性にも関係しています。
魚などを捕まえるクラゲの毒針はしっかり毒が注入されるものです。
つまり、我々が刺されて痛いクラゲです。
魚などは餌の食い付き具合を見ることができますが、クラゲは食べにはこないので、しっかり胃袋に入っているかどうかで確認します。給餌のタイミングは例え時間が多少かかっても健康観察の絶好のタイミングになります。

実は今、給餌で苦戦している生物がいます。クラゲではないのですが、元ジェリーフィッシュライダーの「オオバウチワエビ」の稚エビたちです。
もちろん今年まではその前段階で悪戦苦闘していたので初めての悩みです。いまとなるとジェリーフィッシュライダーのほうがわかりやすかったかもしれません。
ライダー時代はクラゲに自らとりつき勝手に食べます。
私はようすをみながらクラゲを投入してあげていただけです。でも稚エビはそうはいきません。もうクラゲは食べません。そしてほとんど動かずじっとしています。
いま、アサリを給餌しているのですが、食べやすい部分を食べやすいサイズにカットして根気よくあげなければいけません。手間と時間がかかります。

壁を乗り越えるとまた新たな壁です。頑張ります。
稚エビは、現在、テーマ水槽で見ることができます。
ほとんど動かず、まるで置物のようですがちゃんと生きています。あまりに動かないので探すのが大変かもしれません。夜、ごそごそ動いているようです。
砂に潜る際のしぐさがちょっと気持ち悪いです。
いつ脱皮してくれるかわかりませんが、今後の成長が楽しみです。


オオバウチワエビの稚エビ

クラゲサイエンス

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