2021年09月29日
トリーター:今井

ちょうど良いサプライズ

貝やウニ、イソギンチャク等の張り付く生き物は、展示水槽を華やかな舞台へと引き立ててくれます。
ところが、存在感を消したいガラス面や壁面に、彼らがくっ付いてしまうと「ここにガラスがあるよ!」、「この後ろは壁だよ!」とアピールされてしまい、自然らしさが損なわれがちです。
そこで、裏方では照明や水流・エアレーションを駆使して、彼らがガラス面や壁面上に長居しないような工夫を施しています。
それでも、巻貝がガラス面のコケを食べるようすや腹足を左右ずらしながら歩く姿、ヒトデが伸ばした眼を頼りに、モシャモシャうごめく管足で滑るように移動するようすなど、ときどきあると ちょうど良いサプライズになるんです。

ガラス面に張り付いたマヒトデ。
吸盤のある沢山の管が管足。
腕先にある何本もの細い管が眼。

前回、トリーター日誌(2021/08/09 みんな「主役!」)にてご紹介のお客さまも、そのような部分を好まれていたようで、わざわざカブトアヤボラが好きな理由を絵に書いて教えにきてくださいました!
(ご厚意に感謝いたします!)


カブトアヤボラの絵

実は、行動とそれに伴ってグワーッと出てくる身の部分が好きということでした。水管の突き出方もかっこいいそうです。
観覧時間内にそんな姿を見られるかどうか考えると、もう何回もご来場いただいているのでしょう。
腹足を踏ん張って貝殻を大きく持ち上げているようす、また垣間見える体表の模様など、一瞬をとらえた写真も見せていただきました。

5歳のお子さまに
「外見じゃないよ、中身が肝腎だよ!」
そう教えられたようです。(‘’◇’’)ゞ

それにしても、素晴らしい観察眼だなと思いました。
もしかしたら将来は・・。
気になっちゃうから、止めときますね~(笑)。

太平洋

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