相模湾大水槽では、何といっても「イワシの群れ」が目立ちますよね~。
1匹1匹は小さな魚なのに、群れると見え方が変わってきます。
相模湾大水槽で見られるのは、マイワシというイワシの仲間。
全身が銀色をしているので、群れが動くと、まるで溶けた金属が変幻自在にうごめいているようで、いつまでも見ていられます。
では、なぜ? 群れを作るのでしょうか?
理由はいくつかあるようですが、
まず1つには、
イワシを狙う大きな敵から身を守るため。
これは、1匹で泳いでいるより群れで泳いでいた方が、自身が狙われる確率が減るからです。
このことを「希釈効果:きしゃくこうか」といいます。
捕まえる方も、1匹に狙いを定めにくいですよね~。
2つ目には、
節約遊泳ができるから。
これはどういうことかというと、魚によって切り裂かれた水はその後ろで渦を巻くような流れになります。
この水流によって後ろの魚は少し前に引っ張られるような感じになり、少しの体力で泳ぐことができるのです。
これが、水の代わりに空気でいうと、自動車レースでは「スリップストリーム」という言葉もありますよね。
3つ目には、
繁殖行動がしやすいから。
これは、字の通りで広大な海の中で、繁殖期の時だけパートナーを探すより、常に一緒にいた方が探す手間が省けるからですね。
4つ目には、
環境要因で一緒になっている。(イワシの群れる原因としては少々ズレますが・・)
これは生息環境が、ある地域または地点に限られていて結果的に、群れているように見えているのです。
深海底の熱水噴出孔の周りに多く見られるシロウリガイやゴエモンコシオリエビなどがそうですよね。
その他にも動物たちは、さまざまな要因で「群れ」を形成する場合がありますが、理由は1つではなく、それぞれが総合的に絡み合っている場合がほとんどです。
水族館の飼育環境の中でも、イワシの他に「群れ」を作っている魚がいるので、一部を紹介いたします。
太平洋のチンアナゴの水槽にいる「キンメモドキ」です。
群れる理由はマイワシに近いと思います。
同じくチンアナゴの水槽にいる「ヒカリキンメダイ」です。
明るい所が苦手なので、暗い所に群れています。
太平洋のトロピカル水槽にいる「ヒメツバメウオ」です。
身を守るため、繁殖しやすいため、など理由はさまざま。
同じくトロピカル水槽にいる「オニボラ」です。
理由は、身を守るため、繁殖しやすいため、など。
まだまだ、水族館の中には「群れ」を作って生活をしている生物が沢山いますので、いろいろな水槽を覗き込んでぜひ、探してみてください。