「犬も歩けば棒に当たる」。「猫の手も借りたい」。「一石二鳥」。
このように生き物に関わることわざはたくさんありますよね。
ちなみに、ペンギンに関わることわざも(英語ですが…)あったのでご紹介します。
「First Penguin」
氷上で暮らすペンギンたちは、群れの1羽が海に飛び込むと、そのあとに続いて次々と海へ飛び込む習性があります。「First Penguin」(最初のペンギン)は、最も勇気が必要です。
隊列を組んで氷上を移動したり、海中で餌の魚を群れで捕食したり、集団で行動したりするペンギンたちですが、そこには群れを率いる特定のリーダーやボスはいません。
群れに何らかの危険が迫ったとき、いち早く察知した“最初の1羽”の後に続くことでほかのペンギンたちも危機を回避します。
ペンギンたちの餌である魚は、海の中にいます。
しかし、海の中には天敵であるシャチやトド、オットセイなどがいるかもしれません。
自らの死と隣り合わせの海に、真っ先に飛び込んだペンギンは、身をもってその海が安全であると仲間に示す一方、誰よりも多くの餌にありつけるかもしれません。
ハイリスク&ハイリターンは、私たち人間社会の生存競争にも通じるところがあります。
ビジネスの世界では、誰も足を踏み入れたことのない領域に挑むベンチャー企業やイノベーションを引き起こすプロフェッショナルのことを、この勇敢な“最初の1羽”になぞらえて、「ファーストペンギン」と呼び、英語圏では、「First Penguin」は、勇気をもって行動する人を指すそうです。
“えのすい”にいるペンギンはフンボルトペンギンという種類なので、残念ながら氷上に集団で生活する種類ではないのですが、展示エリア内にある擬岩の先端からプールに向かって飛び込むことができる場所があります。ペンギンたちの飛び込みのようすを見ていると、「First Penguin」に向いている性格のペンギンと、向いていなさそうなペンギンがいるように感じます。