2021年10月27日
トリーター:鈴木

油壺からやってきた生物

こんにちは、鈴木です。

先日の加登岡トリーターの日誌[2021/10/23 油壺からの贈り物]で紹介がありましたが、私の担当する水槽にも惜しまれながら閉館した京急油壺マリンパークから引っ越しをしてきた魚がいます。
「ソウシハギ」です。


見た目の色や模様がとても美しく、水槽内では確実に目立ち、主役になる魚です。
本来は南方の暖かい海の魚ですので、以前は暖かい海流の黒潮に乗ってやってくる季節来遊魚として幼魚が見られることはありましたが、温暖化の影響で近年は相模湾でも成魚が見られるようになりました。
内臓にフグ毒よりもはるかに強力な毒を持っていますが、あまり馴染みがないため「ウマヅラハギ」などと間違えてしまう事故が多く、県からも絶対に食べないで!という注意喚起がされている魚です。

私が今まで飼育した「ソウシハギ」は約 15~30㎝程度の小~中型でしたが、今回京急油壺マリンパークからやってきたものは、それらをはるかにしのぐ、およそ 60㎝のマックスサイズでした。
しかもそのサイズが2匹です。
大きくなると鮮やかな体の色はやや退色するものの、この大きさはやはり大迫力です。
飼育個体なので、最初から餌もよく食べました・・。というより、先住の魚を押しのけて、すごい勢いで食べてます・・。
この手の薄型の魚はデリケートで急に調子を崩すことがありますが、京急油壺マリンパークでよく飼育されていただけあり、水槽にもすぐ慣れ今のところ調子を崩しそうな気配はありません。
これから先もみなさまに愛されていた京急油壺マリンパークの名と共に元気でいて欲しいと思います。
「ソウシハギ」は水族館に入って2番目の水槽(相模湾ゾーン)に展示していますのでぜひご覧ください。

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