2021年10月27日
トリーター:笠川

ビューティフル

「リゾストマ・パルモ」と「コティロリーザ・ツベルクラータ」の混泳展示を開始して20日以上が経過しました。

展示開始から着実に成長し、ひとまわり、ふたまわりと大きくなった個体もいます。
特に、「コティロリーザ・ツベルクラータ」(以下、コティロ)は、今までで一番きれいに大きくなっています。
どんなに大きなクラゲも、ポリプから遊離するエフィラはだいたい2~3mmです。
「コティロ」も、2mmほどの白い小さなエフィラが、1つのポリプから1つだけ水中に遊離します。


その後、3~4か月かけて、1cmほどの子クラゲになります。
「コティロ」は、かなり早い段階で、特徴的な紫色の付属器が出てきて、小さいボンボンが付いているようなかわいらしい姿になります。
そして、ここからが難しい。

傘が水槽のアクリル面にまるで吸盤のようにくっつき始めてしまい、傘がダメになってしまいます。
あのポコっと出た帽子のような傘のかたちをキープするのが非常に難しい。逆をいうと、傘がペチャンコになってしまうとうまく育ちません。
「コティロ」は「目玉焼きクラゲ」と呼ばれることもありますが、その黄身に見立てられる部分が大切なようです。

クラゲ飼育において、水流はとても重要です。
どのくらいの強さでどのくらいの量、どの方向でまわすかは、そのクラゲの種類や数、コンディションなどによって変わるため非常に悩ましいです。
これがベストなものになると、飼育日数はぐんと伸びます。
どこにもぶつからず、苦労せずに浮遊できて餌が獲れる状態を作りあげることがベストです。
“神”水流を目指して日々精進しています。

今回の混泳のねらいのひとつに、「コティロ」のくっつく現象を「パルモ」の動きで阻止できたらいいなという思いもありました。
よく観察していると、遊泳する速さや動きが2種では少し違います。

まだまだはっきりしたことは言えませんが、この混泳展示が2種にとって相乗効果をもたらしていく結果になるとさらに意味のある展示になるなと期待しています。

今後の2種の成長を楽しみながら、なるべく長い期間の展示を目指して頑張っていきます。

[ 夢の共演、美しいクラゲの混泳展示「リゾストマ・パルモ」「コティロリーザ・ツベルクラータ」]

クラゲファンタジーホール

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