2021年12月01日
トリーター:笠川

北の海から

クラゲ展示を維持するために私たち担当者は、バックヤードでポリプを維持しながら、そこからクラゲやエフィラを出して育て上げることを日々行い、海に採集へ出かけ、さらには漁師さんや業者さんからも購入したり、他の水族館などと生物交換もしたりしています。

北海道の網走の漁師さんにも大変お世話になっています。網走から届くクラゲたちを見ると、豊かな海だなといつも思います。
そして、漁師さんが行うパッキングがすごいなといつも思います。普通私たちは、ビニール袋を縛るとき、輪ゴムを使いますが、網走の漁師さんはダンボールを縛るような細いビニールひもです。よくこれで水が漏れないと毎回感心してしまいます。真似できません。
そのようにして、北海道の海から、クリオネとシンカイウリクラゲもやってきます。

今年は12月より一緒に展示を行います。初の混泳展示です。
櫛板を虹色に輝かせながら浮遊するシンカイウリクラゲの間を、パタパタと羽ばたくように泳ぐクリオネの姿は、とても神秘的で美しいです。流氷の下にはこんな風景が広がっているのでしょう。いつか、ドライスーツを着て、流氷ウォークをしてみたいとずっと思っています。
ひととき、場所は水族館ですが、イメージを膨らませながら、流氷の下の美しい生き物たちに、酔いしれてみてください。

クラゲサイエンス

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