2021年12月10日
トリーター:小森

ちょっと!すごいよ!!注目!!!

クラゲ班では毎日クラゲの採集をしています。
目的は江の島で採れるクラゲを調べるため。採れたクラゲは展示に出すこともあります。

本日 12月10日は私が採集に行きました。
海のようすは毎日変わります。透明度が高かったり、泥水のように濁っていたり。
今日はどんな海かなーと思いながら到着すると、めちゃくちゃきれいじゃないですか!!!
海の底まで見えます。
泳いでいる魚、底を歩くカニ、悲しいかな沈んだ大きなごみまでぜーんぶ丸見えです!

まるで伊豆の海・・・ 初めて江の島の海を泳いでみたいと思えるほどの綺麗さでした。
これはクラゲも期待できるかも?とまずは目視を試みましたが、まだまだペーペーの私にはクラゲは見えず。
なーんだ、いないや、と思いながら網を引いてみます。

すると、なんじゃこりゃ!!!!!!!!!!!
ヤムシだらけじゃ!!!!!!!!!!

この透明な細長いのがヤムシです(これでも採れたほんの一部!)この透明な細長いのがヤムシです(これでも採れたほんの一部!)

しかもよく見ると何か知らないクラゲ(私の知識がないだけ)も大量やん!!!!
ていうか、目が慣れてきたらごみだと思ってたの全部クラゲやん!!!
勢いそのままにクラゲチームへ連絡!
その興奮度を見てください。

伝わります?この興奮度合い。語彙力ゼロ!
でも、仕事中にこんなめちゃくちゃな連絡をしても許してくださる、とてもすてきなチームです 笑
送ってすぐに、一人じゃもったいない!と思い、会社へ電話。
残念ながら忙しい時間帯だったので、そのまま一人で採集を続行することになりました。

採れる!採れる!クラゲフィーバー!
リアルタイムでこの感動を共有できる人がいないのが寂しすぎて、めちゃくちゃ一人でしゃべりながら採集していました。

そしてヨウラククラゲっぽいものを見つけたので、ごみかな?クラゲかな?とウキウキしながら採ると、、、まさかのイカ。え、イカ?

↑ヨウラククラゲ↑ヨウラククラゲ↑採れたイカ↑採れたイカ

ちなみに、漁業法でナマコなどの採集は禁止されています。
え、イカはいいんだよね・・・? お縄にならないよね・・・?と自問自答しながらも、会社で怒られたらすぐに海に返しに来ようと決めて、とりあえず何のイカか知るためにお持ち帰りしました。

そして、クラゲ班のトリーターに聞くと、もしかして深海性のイカじゃない?と。
(※冬になると深海性の魚などが表層にあがってくることがたまーーーにあります)
イカや深海生物に詳しいトリーターに聞くと、これは珍しいやつじゃないか?と。

それからやんややんやと盛り上がり、恐らく「サメハダホウズキイカ科」の「トウダカイカ」では?と。
写真の通り、透明で、目がでっぱっていて、まるでシュモクザメ、通称ハンマーヘッドシャークのような見た目です。

↑アカシュモクザメ↑アカシュモクザメ

飼育方法は不明、とにかくレアなので写真を撮ったらすぐ標本にしよう!ということになりました。
私も初めて知ったのですが、イカの飼育は難しいそうです。ましてや、飼育方法が確立していない種なんてもってのほか。通常1~3日で状態が悪くなってしまうことがほとんどだそうです。
撮影後、何だかもったいないね・・・ 展示できたらいいのにね・・・ でも何食べるかわからないしね・・・ とみんなで後ろ髪を引かれる思いで話していました。
じゃあもし餌を食べたら展示、食べなかったら状態が悪くなる前に標本にしようか、と話をしていると、聞こえたのでしょうか。試しにあげたシラスを食べました!!!

これにはみんな大興奮!スマホでもばっちり撮影しました。
じゃあコマセは食べるかな?と与えてみると、あっという間にペッと吐き出しました。
ちなみに、シラスも大きいと食べません。指でこねこねミンチにして小さくしてから与えると食べてくれました。どうやらやわらかいものが好みのようです。

そしてYトリーターが言います。
「・・・もしかして摂餌シーンの撮影は世界初なのでは?」

いやいや、世界は広いですからね、そんなうまい話はありませんよ。
でもでも、もしかしたら、ほんとに、世界初だったりして・・・・・・?
なんとも夢が膨らむ話です。

この日誌を急遽書いている 20:00 現在、イカは元気に泳いでいます。
明日も無事に元気でいてくれたら展示に出すかもしれません!出さないかもしれません!
どうなるかはイカ次第!!

水槽の関係で、もし展示に出すとしたらクラゲの水槽を予定しています。

さて、展示できるのでしょうか。明日、もう一度きちんと摂餌風景の撮影もできたらいいねとも話をしています。
もし撮れなかったら、スマホで撮った動画をいつか日誌にあげますね。

ちなみに、イカの話になってしまいましたが、クラゲも恐らくめちゃくちゃ珍しいもの採れています。
種同定中なので、確認できたらそのクラゲも展示できるかも、です!
種があっていれば、恐らく日本で3番目の展示になるかも・・・?

夢がいっぱいですね!
なんだかすごいぞ“えのすい”!
みんな注目―!注目して!!!すごいよ!!!

結局匂わせしかしてないけど、以上です!


※サメハダホウズキイカ科の一種の展示は2021年12月11日にて終了いたしました。

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