2021年12月11日
トリーター:佐野

序列

サンゴトラザメサンゴトラザメ

新入生に対し睨みをきかせる上級生、みなさんの周りにもいませんでしたか? 水槽の中でも時々そんな光景に出会います。

最近「太平洋」にサンゴトラザメとゼブラウツボが水槽入りしました。水合わせを済ませ、トラザメ 2個体が水槽に放たれました。
もはやその直後と言っても良いでしょう。岩陰に直行したサンゴトラザメをねっとりと追いかける影が。モンガラカワハギです。
模様がきれいな魚なのですが、いかんせんとっても気が強いです。サンゴトラザメが隠れた岩組の合間を進み、なにやら回転しながら睨んでいます。ヒヤヒヤしながら見ていると、一旦去っていきました。が、今度は岩組の反対側に回り込みなにやらちょっかいを出しているようす。サンゴトラザメは別の岩陰へ逃げて行きました。

続いて後日ゼブラウツボです。同様に水槽に放たれ、一直線に水槽の暗がりへ直行しました。
先住のモヨウキカイウツボの定位置に潜り込んだゼブラウツボ。その後をねっとりと追う影が。メガネモチノウオです。
暗がりに頭を突っ込みゼブラウツボをじっと見ています。やはりヒヤヒヤしながら見ていると、一旦去っていきました。ところが間髪を入れず、今度はモンガラカワハギが睨みにやって来ました。ゼブラウツボはどんどん奥へ逃げて行きます。その後しばらくこの 2個体が示し合わせたかのように順番に睨み続け、ついに表から見えなくなった所でやっと去っていきました。

今はサンゴトラザメもゼブラウツボも睨まれなくなりましたが、そうした魚が多数いたりする水槽の場合は餌をあげたり、水槽に別の刺激を与えて気をそらしている間に新入りを入れる事もあります。
人間だけでなく魚の世界にもこんな序列?が存在します。世の中厳しいですね。

ゼブラウツボゼブラウツボ

太平洋

RSS