2021年12月25日
トリーター:伊藤

サンタの赤ちゃん

今日はクリスマスです。
我が家はクリスチャンではありませんが、今年もサンタさんが来てくれたようで、朝起きたらプレゼントが!
次男坊は喜び、長男坊はうすうす気付い・・・
さて、サンタさんといえば赤い帽子、赤い帽子といえば、そう、アカゲカムリです。

原始的なカニであるカイカムリの仲間です。
三浦半島の漁師さんから譲り受け、現在相模湾キッズ水槽で展示中です。
名前は「貝かむり」ですが、自然下ではカイメンをかむる個体が多いようです。
今回のアカゲカムリ、赤い体色もさることながら、チョイスしたカイメン帽子も赤く、中々のサンタ感です(サンタに扮するのが早過ぎたか、帽子がちょっとぼろく・・・ )。
一つサンタと違うのは、雌でして、ちょっと前に産卵しました。
カニ類の多くは雌親が産卵後、ふ化直前まで腹部(いわゆるハカマ。エビでいう尻尾の部分)で抱いて守り、ふ化間際に仔をリリースします。
今回、リリースされた仔ことゾエア幼生の一部を、以前紹介した「西川八巻式・筒っぽ装置」で育ててみています。

こちらがふ化直後のゾエア幼生です。
この時から今日まで約1か月経っており、数回の脱皮に成功した数個体が生存しています。
ほんとはそちらの写真もお見せしたいのですが、撮影のために弱らせてしまうことを恐れ、遠慮させていただきました。
知り合いの研究者に聞いたところ、この類の幼生期の形態や生態は分かっていないことが多いそうです。あと1~2回脱皮に成功すれば、稚ガニになって着底してくれるかなと思っております。
一体どんな姿なのか、いつから帽子をかむるのか、明らかになるまでもう一息かもです。展示できるかは微妙なところですが、あとは装置のメンテを欠かさずに成功を祈ります。
当館の展示の方は、明日からがらっとお正月ムードに変わりますが、アカゲサンタはしばらく展示される予定ですので、興味がある方はぜひご覧ください。


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