もさもさのポリプを見ると、もみの木に見えなくもない。
特に決めていたわけではありませんが、本日、クリスマスより、イガグリホンヤドカリが背負ったイガグリガイウミヒドラの展示を開始しました。
クリスマスと聞くと、みんなクリスマスっぽく見えてくるもので、イガグリガイウミヒドラがツリー、もしくは、ヤドカリが背負うプレゼント袋なんかに見えなくもない。
ついつい、ヤドカリに目が行きがちですが、今回は貝殻のように見えるヒドロ虫の仲間、イガグリガイウミヒドラにぜひ注目してください。
クラゲ担当になって、クラゲの奥深さ、不思議さ、面白さにいつも驚かされていますが、このイガグリガイウミヒドラも初めて知ったとき、?が3つくらいつきました。
イガグリホンヤドカリが背負っているのは、貝殻ではなく、ポリプで、巻貝状に成長していくから、ヤドカリは宿替えする必要なし。まさに成長する貝殻。なんとも摩訶不思議。
クラゲというと、ぷかぷかと浮遊している姿が注目されますが、実はポリプの時代も面白いです。
岩や海藻などに付着していることが多いですが、今回のイガグリガイウミヒドラのように、他の生き物につくものもいます。
例えば、エダクダクラゲのポリプは、エラコにつきます。
タマクラゲのポリプはムシロガイにつきます。
サカナウミヒドラは、ヤセオコゼにつきます。
以前、オオグソクムシにも、カイウミヒドラのポリプがついていました。
その存在を知り、よく探してみると、実は今まで気づけていなかった生き物に出会えるかもしれません。
そして、生き物同士の関係を知るとさらにその不思議がわかります。
びっくり話続きで、今年1か2の驚きは、キヨヒメクラゲです。
長崎の佐世保でしか(調べると他でも記録はありますが、私自身が実際に見た経験から)出会えないと思っていたクラゲに駿河湾で会えました。
そして、“えのすい”で展示することができました。ぜひ、長期飼育させたいところです。
このキヨヒメクラゲ、特徴的なとんがりで、全体のシルエットが栗のように見えます。
櫛板が光に反射してキラキラと輝いて見えるので、まさにイルミネーション栗です。
なんだか、イガグリにむき栗に、栗が並びましたね。
そして、今日はクリスマス。
メリクリ。あっ、ここにもクリがありました。
面白い生態の生き物に、珍しいクラゲなので、ぜひ、じっくりご覧ください。
みなさん、素敵なクリスマスをお過ごしくださいませ。