2022年01月31日
トリーター:鈴木

岩礁水槽アップデート

みなさんこんにちは、鈴木です。
早いもので 2022年も明日で残り 11か月ですね・・。
年齢を重ねるごとに人生の体感時間は短く感じるといわれますが、今年は昨年よりも2倍速くらいで進みそうな予感がします。
・・と、ネガティブな言い方をしてしまいましたが、見方を変えれば、成長しできることが増え、日々考えることが密になっている証拠ともいえるでしょうか。
2022年はぜひポジティブにいきたいと思います!

さて、先日1月25日~27日の3日間、“えのすい”はメンテナンスのための休館日をいただきました。
休館日は、普段できない大掛かりな水槽掃除や展示変更、設備のメンテナンスなどをおこない、3日間みなさまにご迷惑をおかけする分、よりパワーアップした“えのすい”にアップデートする重要な期間で、我々トリーターにとっては年に一度の勝負の3日間といっても過言ではありません。
ただ、これは水族館飼育員における休館日あるある、だと私は勝手に思っておりますが、たいてい作業を詰め込み過ぎて、作業が完了するのが最終日ぎりぎりになります。
案の定、私が担当するエリアでも、初日から最終日の夜までフル稼働の末、何とかみなさまをお迎えできる状態にすることができました。

さまざまな水槽を更新しましたが、中でも私が見ていただきたいのは、海藻をメインに展示している相模湾ゾーンの「岩礁水槽」です。
この水槽は江の島周辺の海中の岩礁環境を再現した水槽で、これまで海藻とともに大型のハタ類やカサゴ、ソイなどをメインに展示していました。
大型の魚が多く迫力はありましたが、実際に私が江の島の海に潜った経験で一番感動したのは、小さな魚のつくる大きな群れが海藻や岩の間を通り抜ける姿でした。
これを再現するため、大きな魚の展示を減らし、代わりに 400匹近いクロホシイシモチの群れを展示しました。
クロホシイシモチは江の島周辺の岩礁地帯で普通に見られる魚で、釣りでもよくお目にかかる魚です。
赤く透き通った体で単体でも大変きれいな魚ですが、この魚が群れで集まった姿は圧巻です。
水中で見るとその場で目を奪われ、時間が止まる気分です。

この水槽には、クロホシイシモチの捕食者となる大型魚もいるので、自然さながらの緊張感のあるきれいな群れを作ってくれており、狙い通りの水槽になったかと思います。
捕食魚の存在はちょっとかわいそうな気もするかと思いますが、仮にこれらの魚がいないと、だらっと緊張感なく、群れとしてまとまらず各々ばらばらのところに行ってしまい、本来の姿を見せることができなくなってしまいます。
そもそも群れは大きな魚から身を守るために作るものなので、襲われる心配がなければ作る必要がなくなってしまいますからね。
これは相模湾大水槽で大きな群れを作るマイワシにも同じことがいえますね。

みなさま、“えのすい”の岩礁に広がる、海藻と魚の群れをぜひ見にきてくださいね。
大きな魚が近づくと生き物のように変化する群れの動きにもご注目です!


相模湾ゾーン

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