先月の閉館日明けにタッチプールの片隅にひっそりと 90㎝の水槽が登場しました。ネコザメの赤ちゃん水槽です。しかも相模湾大水槽生まれのネコザメです。
これまでも大水槽でネコザメがふ化することはあったのですが、いずれもトリーターが水槽内で卵を発見し、安全な場所へ移動させてふ化した赤ちゃんになります。
展示中の個体は昨年11月末に大水槽の掃除をしていたトリーターが水槽の上の方にいたところを発見しました。
大水槽の中でふ化したのは今回が初めてです。その後卵の殻を代わる代わるダイバーが捜索しましたが、見つかりませんでした。
うまく隠すもんだねーなんていっていた12月の中頃、再び同じ位置に赤ちゃんネコザメが!
まだおへそのような卵黄が吸収されたあとがしっかり残っているので、ごく最近ふ化したことがわかります。
ネコザメの卵はふ化までに1年近くかかるので、その間、私たちも気付かないような場所に卵を産んでいたようです。
しかもまだ2つとも殻は見つかっていません。そこそこ大きさもあり、かなり特徴的な形の卵なので、これまでも見つけるのはそんなに難しくなかったのですが見つかりません。大きな水槽とはいえ、限られた空間の中なのに見つけられないとは。お母さんネコザメに拍手です。野生ではもっと見つけにくいのでしょうね。
大水槽の中はネコザメの卵にとっても赤ちゃんにとっても危険の多い環境です。そんな中でたくましく誕生した赤ちゃんをやさしく見守ってください。