みなさんこんにちは!八巻です。
今回は、今更ですが私たちの使っている水中ドローンを紹介したいと思います。
これまで調査を紹介したことはあっても、水中ドローン自体を紹介したことはなかったような気がします。
実は私は学生時代から今まで、さまざまな無人探査機、有人潜水艇を見たり使ったりしてきました。私自身、もちろん生き物は好きですが、機械にも興味があります。
これまで小型ROVを操作したり、修理したり、超小型ROVのキットの組み立てにも挑戦しました。
慣れないはんだ付けをしたり、テスタを使って通電を調べたり、難しかったですがよい思い出です。
そもそも水中ドローンとは、いわゆるROV(無人探査機)の一種、ケーブルを通して船上から操作する水中ロボットです。
小型のROVのうち、小型船舶でオペレーションできるハンドリングのよいものを水中ドローンというようです。
私たちの使っている水中ドローンはFullDepth社のDviUnit300という機器で
水深 300mまで潜ることができます。
グリッパーと呼んでいるマニピュレータ―
を搭載できるため、水中で物をつかむことができます。“ただ掴むだけ”ですが、これができるとできないとでは大違いです。海底を見るだけなのか海底から何かを持ってくることができるのかということです。
水中ドローンは本体だけでは動きません。
船上で操作するためのコントロールユニット
と、コントロールユニットと本体をつなぐためのケーブル
が必要です。
コントロールユニットはパソコンとゲームコントローラーでできていて、まさにゲームをするように動かすことができるのです!
一口に「ハンドリングがよい」とはいっても、やはり水中ドローンの操作は慣れが必要で一筋縄ではいきません。みなさんもラジコンカーで遊んだことがあるかと思います。もちろん私もありますが、ラジコンカーを思い通りに操作することも結構難しいですよね・・・でも、操作しているラジコンカーが「見えている」ことは操作のしやすさという面でとても重要です。というのは、水中ドローン自体は海の底深くにあるため、ドローンが映している映像だけを頼りに動かさなくてはいけないません。
視界もせまく、自身がどのような体勢なのか理解するのが難しく、慣れるまでは姿勢制御だけで四苦八苦です・・・
さらには前後左右という二次元方向だけでなく、上下という三次元方向の動きも加わる上に潮流の影響を受けます。潮流はドローン本体だけでなく、ケーブルも受けるため思い通りに動かすには船の動きも重要になってきます。そしてケーブルをタイミングよく繰り出すという連携作業も必要になるわけです。
とはいえ、慣れてしまえば比較的簡単に扱えるところは、まさにハンドリングのよい水中ドローンです。
私たちが主なターゲットとしている調査海域は、水深 100~ 300mと比較的浅く、江の島の目と鼻の先です。小型船舶でさっといって、水中ドローンでパッと調査して帰ってくる、それが可能なのです。
これからも水中ドローンを使って調査を継続、身近な海である江の島近海についてもっと知ってみなさんへ伝えていきたいです!