2022年08月27日
トリーター:今井

あの京急油壺マリンパークからやって来たオオクチイシナギ

昨年 9月、惜しまれながら閉館された京急油壺マリンパークより、当館に譲渡されたオオクチイシナギは深海Ⅰにて展示されています。大きさは 70㎝ほどですが、お腹が空いた時には待ち切れずに水面まで来て、まるでピラルク―のように「バポンッ!!」と迫力のある食べ方をします。

そんな元気な個体でしたが、先月、眼の治療薬を経口投与する事態になりました。
量にしてコンマ数グラムの薬をカプセルに詰め、それを魚肉に挿んで食べさせたのでした。
しかし、その後に何か異常を感じたのを覚えているのでしょうか?

2回目以降、明らかに餌を警戒するようになり、絶食が続いていました。
そこで経口投与を止めにしたところ、昨日、約 1か月ぶりにやっと餌を食べてくれました。

アジの切り身を軽く咥えて口に入れると、もぐもぐ咀嚼してはプッと吐き出し・・・それを何度も繰り返してから、ようやく飲み込んでくれました!
魚の頭のよさについては、まだまだ私たちの杓子定規などでは計り知れないもので、たまたま人間の仕草に近いと、そう思ってしまう節があります。
ですが経験に基づいた知恵を身に着けているなという感じは、同じ生き物として分かりました。
ところで繊細な口の中・・・、そう思うと、釣り好きな私は、魚類の痛覚神経の云々あれど、複雑な心境に陥るのでした。
追伸 
京急油壷マリンパークが 2日前VR空間にリニューアルオープンされたようです!(祝)
本個体はいるのかな?

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