2022年10月08日
トリーター:島森

オガとの新たな挑戦!!

芋・栗・かぼちゃの美味しい大好きな季節がきました♪この時期はいろんなものを食べてしまい、体重コントロールが・・・。毎年喜んではへこんでを繰り返しています(泣)

そんな話はさておき、私がアザラシの「オガ」のメイン担当になってから新しいことに挑戦してきました。それは、陸場での採血!!これだけ聞くと、「新しい挑戦だなんておおげさな」なんて思われるかもしれませんが、「オガ」にとっては大事です。
そもそも採血が苦手で、警戒心の強い「オガ」。陸場というすぐに逃げることのできない場所で、苦手な採血をだなんてとんでもない、といったところからのスタートでした。

じゃあ、なんでわざわざ陸でやるの?という疑問が浮かびますよね。「オガ」が水中にいる状態で採血をすると、せっかくとれた血液に海水が混ざってしまう可能性があるんです。そうするときちんとしたデータが出ず、せっかく採らせてくれた血液を無駄にしてしまうかもしれません。そんなことはしたくないし、「オガ」の健康状態も知ることができないので、陸での採血に挑戦することにしました。

アザラシの採血は後肢の付け根からおこないます。針を刺すときに後肢が動いてしまうと、「オガ」も獣医もケガをしてしまうかもしれないので、トリーターは後肢を軽く保定します。
今まで陸で後肢を触られることがなかった「オガ」は、触るとすぐに後肢を丸めてしまいました。これでは針を刺すことができません。
まずはじめにやったのは、「後肢に触れても怖くないんだよ」ということを伝えること。毎日地道に繰り返し伝えていくと、後肢に触れて動かしても丸めることはなくなりました。次の問題は、警戒心が強い「オガ」は他のスタッフが近づくと警戒してプールへ戻ってしまうこと。
そこで、他のトリーターがいる状態で陸にあがってきてくれたことをたくさん褒めました。これも毎日地道にこつこつと。今もまだ警戒してしまうことはあるので、たくさん褒めることは現在も進行中です。

次のステップは、他のトリーターに触ってもらうこと。
はじめからほかのトリーターだけが触ると後肢を丸めてしまうので、私が触っているときに一緒に触ってもらい、だんだん一人で触ってもらえるようにステップアップ。
ここからはチクンと痛みを伴う、最大の難関。はじめから採血の時のように長く刺すのではなく、「針を刺してすぐに抜く」→「針を刺して、何度か針を動かす」→「採血本番!」といった感じでこちらも少しずつステップアップしていきました。

そして先日、はじめて陸での採血に成功!!採血結果は「健康、問題なし」でした(^^)♪
採れた瞬間、思わず「やったー」と大きな声で喜んでしまいました。でも、これで終わりではなく、いつでも検査ができるように維持しなくてはいけません。ある意味ようやくスタートラインに立ったといったところです。

今も毎日のようにこつこつと練習を積み重ねています。私が「オガ」の後肢を触っているときは、きっと採血の練習をしている時ですね。「オガ」が元気でいられるように、これからも一緒に練習を続けていこうと思います♪

ペンギン・アザラシ

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